万華鏡に入れて一番綺麗なゴミは何か




 

万華鏡とは実に不思議で、魅力的なものである。

元はスコットランドの科学者が実験の最中に発明したものであり、今日に到るまで我々を幾度と幻想的な世界に誘ってきた。

 

 

万華鏡は、筒の底から入った光が中の合わせ鏡に反射することにより、鏡の対称性が美しい図形を描く仕組みだ

さらに筒を回転させれば、中の物体が移動して様々な色や模様の変化を見ることができる。

 

 

光と鏡を上手く掛け合わせた素晴らしい発明であり、万華鏡を覗くだけで我々はいつでも美しい世界に浸ることができる。

 

一方で、ひとたび筒から目を離し外の景色を見てみると、万華鏡の中とは程遠い汚い世界が広がっている。

近年の著しい産業発展により我々の生活は便利になったが、その功罪の罪過としてゴミ排出量の問題からは逃れられずにいる。

 

 

増えすぎたゴミは、廃棄処理場の確保や海洋ごみの増加など、脅威的な社会問題へと変貌を遂げる。

そして何よりも、我々の精神衛生を蝕んでいく。

 

 

そこで我々は考えた。

そんなゴミを、万華鏡で見てみないか。

 

本来は汚くてストレスを与えるゴミも、万華鏡に入れると美しく鑑賞できるのではないか。

 

うまくいけば万華鏡が、社会問題は置いておいて、ゴミ問題による精神衛生上の課題を解決する糸口になるはずである。

ということで今回は、生活で発生するゴミを万華鏡に入れて覗いていき、あらゆるゴミが美しく変わる瞬間を創造(つく)っていこうと思う。

 

 

調査開始

まずは生活する上で発生する、あらゆるゴミをリスト化する。

 

ここから陰毛やXXX、XXXのXXX、XXXした後のXXXなど、不適切なものを除外していき、

上から順に万華鏡に突っ込んでいくというシンプルな調査方法を採用する。

 

そして、今回はおよそ50種類の生活ゴミの中から、万華鏡で覗くと綺麗に映るゴミのベスト5を選出していく。

 

それではまず手始めに、こんなゴミから。

 

トマトのヘタである。

言わずと知れた非可食部位であり三角コーナーの王様とも称される。悲壮感あふれる見栄えも大変よろしくなく、ゴミとしては申し分ない。

 

そんなトマトのヘタを万華鏡に入れ、覗いてみよう。

 

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だいぶキモくなった。

しかし、元のゴミらしさは薄れて新たな世界観が演出されている。

筋組織やシナプスのような繊維感もあり、再び生命が吹き込まれたようだ。万華鏡は生命の神秘をも我々に教えてくれる。

 

それでは次にこんなゴミも試してみよう。

 

コンタクトレンズ(使用済み)である。

いつもクリアな視界を我々に見せてくれるコンタクトレンズが、筒の中では何を見せてくれるのか。

 

万華鏡に入れた姿がこちらだ。

 

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まるでクリオネのようだ。

実は今回、ギリギリのところで惜しくもベスト5から落選したコンタクトレンズ。とりあえずそこそこの水深のところで漂っている生物と説明されれば、どこか納得してしまう神秘的な見た目になった

 

続いてこんなゴミはどうだろう。

 

あの日渡せなかったラブレターである。

クラスの気になるあの子に向けて夜通し推敲した恋文も、渡せなかったらただのゴミなのだ(だから、ちゃんと渡すんだゾ!)

ただし、ミカンの皮よりも、梅干しの種よりも、甘酸っぱいゴミであることは間違いない。

 

そんなラブレターの万華鏡での姿がこちらだ。

 

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涙で滲んでよく見えないみたいに。

かなりぼやけてしまった。しかし、渡せなかった恋文をそっと処分するとき、視界はきっとこうなるだろう。

「万華鏡のせいさ」と独り呟いて、涙の言いわけができるだけでも上等じゃないか。

 

 

多少脱線したものの、このように全50種類のゴミを万華鏡に入れては覗いていき、その中で綺麗に映ったゴミのベスト5を選出した。

まずは第5位から見ていこう。

 

 

第5位

鉛筆の削りカスである。

近年すっかり目にすることのなくなったゴミだが、万華鏡で覗いてみよう。

 

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寄木細工のような芸術がそこに。

鉛筆削りのウェーブがかったフォルムが、合わせ鏡によって芸術的なビジュアルに昇華されている。

 

あの頃の僕らが必死に生み出していた削りカスには、こんなポテンシャルがあったのだ。

 

 

第4位

銀鮭の皮、エビフライの尻尾、緑のバランから成る

幕の内弁当のゴミ3点セットである。

 

幕の内弁当を食べた後に必ず出てくるお決まりのゴミ。

バラン以外の2つは、幕の内弁当の中核を担っていたおかずたちである。

 

願わくば、万華鏡を通してゴミや食べ残しなどが重なり合い、一つの弁当が復元するまでを期待してみたい。

 

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アジフライみたいなのが復元された。

彩色もどこかアジアンテイストが含まれており、完全な生ゴミ状態から息を吹き返した結果となった。

まるでもう一品増えたような気にさせる万華鏡。「本当にもう食べられるところはない?」と、ゴミの過剰排出に警鐘を鳴らしているようにも見て取れる。

 

バランはここでも「仕切り」という本来の役割を果たしている。今回はこのバランが、よりシンボリックな印象を与え、魅せるビジュアルになっている。

 

 

第3位

卵の殻である。

これも三角コーナーの裏番とも称される生活ゴミである。

ゴミの中でも特に生ゴミ類は嫌厭される部類だが、それでも万華鏡を通して覗けば、世界は変わる。

 

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神秘的な結晶になった。

ハズキルーペが如く紹介をしてしまったが、肝心の卵の殻はまるで貴重な鉱石のように、美しく鋭く鏡像を描いた。

光の反射で輝いて見えるところも、何か特別な力を秘めているようだ。

 

 

そして残すところは1位と2位である。見てみよう。

 

 

いよいよ1位と2位の発表 !!