ゴダイゴ『銀河鉄道999』の最後のサビを永遠に繰り返したら人はいつ気づくのか




 

1979年7月に発売された、ゴダイゴの11枚目のシングル「銀河鉄道999」言わずと知れた名曲である。

 

この曲は映画『銀河鉄道999(The Garaxy Express999)』の主題歌であり、作曲者であるタケカワは当時、「さぁ行くんだ その顔を上げて」という最初のフレーズができた時点でいい曲になると確信をしたという。

たしかに曲の節々で徐々に音が高くなるメロディは、列車が空(宇宙)へと飛んでいく様を彷彿とさせ、映画の主題歌として見事にはまっている。

 

またこの曲は、現在JRの駅で列車の発車・接近メロディとしても使用されており、発売から時を経てもなお多くの場所で愛され続けているのだ。

 

 

そしてこの「銀河鉄道999」はサビが全て英語で、1番・2番・大サビと全て同じ歌詞なのだが、

 

最後の大サビ後は、このサビ部分を複数繰り返しながら曲はフェードアウトし終了となる。

まるで蒸気機関車が力強く走るようなアップテンポなサビは曲中でも抜群の存在感を放っており、サビが繰り返されている間、心の中を銀河鉄道999が走り回っている感覚にかられる。

 

そしてこの心地よいサビの繰り返しに、いつの間にか心を奪われてしまうのだ。

 

 

もしこのラストのサビの繰り返しが永遠に続いたら、

聞いている人は一体何回目で違和感を感じるのだろうか。

 

まるで山手線がごとく円環を廻り続ける銀河鉄道から、人はどのタイミングで降りられるのだろうか。

同曲の世間への浸透度を測るにも最適な企画だろう。

 

ということで今回はゴダイゴ『銀河鉄道999』の最後のサビを永遠に繰り返したら人はどこで気づくのかを検証する運びとなった。

いったい銀河鉄道999はサビという線路を何周できるだろうか。果てしない調査へと、出発だ。

 

 

調査方法

今回はゴダイゴの「銀河鉄道999」の曲の最後のサビの繰り返し部分を切り取り、それを元の曲の最後に貼り付けたロングバージョンを作成する。

 

オリジナルの曲の長さは3分24秒で、最後の部分で1回サビがあった後に大サビとして1回、その後4回繰り返された後フェードアウトで2回という計8回サビの繰り返しがある。

 

今回は大サビ後かつフェードアウトに入る前のサビの繰り返しを計100回まで増やし、合計12分13秒の曲に仕上げた。

オリジナルの最後の繰り返しが8回だったのに対して、今回はその12倍の繰り返しがある。そもそも一般的なJPOP楽曲が12分も続けば、そこに違和感を覚えてもおかしくない。

 

ちなみにこの100回のサビの繰り返しに、被験者が万が一気づけなかった場合に備え、

 

モーニング娘。の「ザ・ピース!」の最後の「Wow Wo… PEACE!×2 Wow Wo… Hah…」が42回繰り返されるバージョンと、

 

サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」の歌い出しの「ララララララ、ラララ〜」が30回繰り返されるバージョンも用意した。

 

そして今回は次の人物に被験者になってもらう。

 

ごどう…当サイトの企画スタッフ。十代の頃、好きな小説は銀河鉄道の夜と公言していたが、理由は宮沢賢治が童貞だったからシンパシーを感じたというものであった。

桐生…当サイトの企画スタッフ。邦楽に関しては主に昭和の名曲たちを愛する。尾崎は豊でなく紀世彦派。

 

 

今回2人には「50マス×50マスの○×ゲームをやるとどれぐらい時間がかかるのか」という信じがたいほどの偽企画をおこなってもらう。

 

そして2人のいる部屋にスピーカーを置き、前述の3曲を含むJPOPのプレイリストを再生して違和感に気づくかどうかを調査する。

以下が今回のプレイリストだ。

 

① Hello, Again 〜昔からある場所〜(My Little Lover)

② もう恋なんてしない(槇原敬之)

③ 銀河鉄道999(ゴダイゴ)ロングver

④ ポニーテールとシュシュ(AKB48)

⑤ ザ・ピース!(モーニング娘。)ロングver

⑥ 勝手にシンドバッド(サザンオールスターズ)ロングver

 

怪しまれないために、念の為、3曲ほどダミーを挟んだ。

それでは早速見ていこう。

 

 

調査開始

ごどう
よし、先行だ。これって先行有利だよね?

桐生
普通はそうですが、今回は2500マスあるのでもはや関係なさそうです。

ごどう
どっちが先行だったかも忘れそうだな。

 

50マス×50マスの○×ゲームの偽企画が始まった。

なお現在、まだダミー曲である My Little Lover のHello Again〜昔からある場所〜 が流れているという状況だ。

 

〜自分の限界が どこまでかを知るために♪

 

桐生
いやぁ気の遠くなる戦いが始まりましたね。

 

ごどう
目悪くなるよこれ。

 

部屋に流れている音楽には特に気も留めず、2人は○×ゲームを進めていく。

 

〜僕はこの手伸ばして  空に進み♪

 

桐生
戦術もへったくれもないですよこれ。どうやったら勝敗着くんですか?

 

〜一緒にいるときは 窮屈に思えるけど♪

 

ごどう
え、待って。一列を○か×かで揃えなきゃいけないんだよね。

起こりうる??

 

○×ゲームとしてはあり得ないマスの量に疲弊する2人であったが、その頃プレイリストは2曲目のダミー曲が終わろうとしていた。

〜言わないよ 絶対♪

 

さぁ行くんだ その顔を上げて〜♪

 

そして我々の本来の目的である、ゴダイゴの銀河鉄道999 12分Verがスピーカーから流れ始めた。

果たして○×ゲームに夢中の2人は、そのあまりの鉄道の長さに気づくことはできるのだろうか。

 

ごどう
ちょっとこっちの方を耕しておくかぁ。

 

君を遠くで見つめてる〜♪

 

桐生
勝つ気あります?

ごどう
言ってろ。こういう伏兵が後で効いてくるんだ

 

地平線に消える瞳には

いつしかまぶしい 男の光〜♪

 

そして、いよい待望の最後のサビの繰り返し部分に差し掛かった。果たして…

 

桐生
おおっとぅ。

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

 

ごどう
そんなんしちゃう気持ち分かるわ。正気で向き合い続けられるゲームじゃないよこれ。

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

まず最後のサビの1回目が終わった。

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

ごどう
あぁー、もう逆にどうやったら終わらせられるかを考えね?

桐生
そういう気持ちで挑んでちょうどいいくらいですねこれ。

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

桐生
もうがむしゃらに埋めていくしかないな。

ごどう
ウォー!

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

その後も幾度となくサビが繰り返されるも、特に違和感は示さない2人。

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

 

 

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

 

 

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

 

 

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

 

30回ほど繰り返されたが、曲に対して全く違和感を示さない2人。

それほどまでにゲームに熱中しているかと言われれば、だらだらと愚痴を垂れ流しているだけなので、部屋に流れる音楽は確実に彼らの耳に届いているはずだ。

 

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

そして…

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

 

桐生
おっ。頭がおかしくなってきたぞ。

 

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

ごどう
分かる。冷静なんだけどね、脳の一部分がどんどん焼き切れていく感覚がある。

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey ♪

 

A never ending journey

A journey to the stars…♪

 

計100回にも及ぶ銀河鉄道999のサビが終わった。

彼らはこの間、スピーカーから流れ出る音楽に一切の違和感を示すことなく、50マス×50マスの○×ゲームに没頭した。

 

桐生
助けてくれ。囚人にやるやつだよこれ。

ごどう
もう頭がおぼつかなくなってるよ。どっちが○でどっちが×かも、度々怪しくなってきた

 

我々の当初の目論見とは大幅に外れてしまったため、

念の為に用意しておいた「ザ・ピース!」ロングバージョンへとプレイリストは移っていく。

 

 

② モーニング娘。「ザ・ピース! 」

さ〜ほら愛そうぜ 最高級で愛そうぜ♪

 

桐生
これいい曲だなぁ。

ごどう
いいよねこれ。モー娘。だっけ。

 

銀河鉄道999の時よりも流れている曲に興味を示す2人。これはサビの繰り返しに気付きやすいのかもしれない。

そして最後のサビの繰り返しが始まった。

 

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

ごどう
もうなんか1行狙うの恥ずかしくなってきたよ。

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

桐生
「おっ、仕掛けるの?笑」って感じ、しますよね。

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

ごどう
「この広大な世界で、まだ足掻くの?笑」って、なるよね。

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

桐生
ウォウォ、ウォウォ♪

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

10回ほど繰り返したところでおもむろにリズムを取り始める桐生。

もはや違和感を感じるどころかその状況を受け入れて楽しんでさえいる。

 

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

先ほどのゴダイゴ同様、この「ザ・ピース!」でも二人は違和感に気づかないのであろうか。

いやはやこれに関しては我々の考えが甘かったと言わざるを得ない。一つの曲のワンフレーズが無限に繰り返される様は、人にとってさほど違和感を与えないようだ。

 

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

だがそんな折、桐生が動いた。

 

桐生
あれ、なんでこれこんな、

ミニゲームみたいになってるんすか?

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

ごどう
確かに。これスピーカー壊れてる?大丈夫?

Wow Wo, Wow Wo, Wow Wo … PEACE!×2

Wow Wo, Wow Wo, Hah…hah…♪

 

繰り返すこと25回目でようやく異変に気付いた2人。

 

ごどう
うわ、そうきたかー!!

桐生
ふはははは。あえて放っておいたんですよ、心を折るためにね。

 

だがすぐさま戦いに戻った2人。

結局この「ザ・ピース!」に関しても決定的なリアクションを見せることはなかった。

 

 

③ 勝手にシンドバッド

最後の手段として、我々は「勝手にシンドバッド」の冒頭が延々と続くバージョンを召喚した。

 

ララララララ、ラララ〜♪

 

ララララララ、ラララ〜♪

ごどう
うわ、懐かし。この曲大好きだわぁ。

桐生
ウルフルズでしたっけ?

 

ララララララ、ラララ〜♪

 

ララララララ、ラララ〜♪

ごどう
ちげぇわ。サザンだわ。

桐生
あぁサザンですか。

ん〜どこ攻めようかな。

 

ララララララ、ラララ〜♪

 

ごどう
ん??これってこんな….

ごどうが異変に気付いた。

 

桐生
….????

 

桐生
そろそろ本気で終わらせますね。

ごどう
かかってきやがれ。×よりも○の方が強いことを、証明してやるよ。

 

やや反応はしたものの、

結局最後まで2人は明確なリアクションは示さなかった。

 

 

ネタバラシ

もうラチがあかないので、ここで2人にネタバラシをすることに。

 

– お疲れ様です。もう終了してください。いい加減。

ごどう
えっと。まだ終わってないけど、いいの?

桐生
もう少し続けたいですよ、ここまできたら。

 

– 今日の企画ですが、実はゴダイゴの「銀河鉄道999」の最後のサビの繰り返しが永遠に続いたら、どこで違和感に気づくのかという検証を行っていたんですよ。

 

ごどう
なにを言ってんの?

桐生
この刑罰みたいなゲームが、ただのフリってこと?

– 全然指摘できてませんでしたね。集中しすぎです2人とも。

 

–  ちなみにそれに気づかなかった時のために、モー娘。の「ザ・ピース! 」の最後ととサザンの「勝手にシンドバッド」の最初もいじってます。

ごどう
あ、それは何となくわかった!俺反応してたよね?

桐生
モー娘。のは確かにおかしいと気づきましたね。長すぎだろって。

 

ごどう
いやぁ、でもゴダイゴのも、なんとなく違和感は感じてたんだよね。

 

桐生
そうですね。なんか、そういうやつなのかと思ってました。

椅子取りゲーム用の音源みたいな。

ごどう
わかるわかる。そういう変なやつかと思ってたわ。

– あんまゴダイゴで椅子取りゲームする人いないでしょう。

 

ごどう
てか、じゃあこの○×ゲームも嘘ってことかよ。俺たち結構頑張ったんだけど。

– そうですね。これ自体が偽企画なので、何の意味もありません。

 

ごどう
・・・俺たちの血が滲むような死闘が。。

桐生
本当にちょっと血が滲んでたんじゃないかってくらいの、激闘が。。。

– まず揃うわけないですよこんなの。とりあえず、お疲れさまでした。

ごどう
・・・・・・・っっ、

 

ごどう
うぉおおおっ!!

 

ごどう
こんなもんなあぁぁぁあああ!!

 

ごどう
ふざけやがって!!!!!

 

ふぁさっ…

 

 

ごどう
うぉおおおっウァアアアッッ!!

 

桐生
いいいぃぃぃぃいいいっっ!!!!

 

 

– 早く帰ってください。