右足が地面に着く前に左足を上げてみた

幼少の頃、我々の身体はあり余るほどのエネルギーで溢れ、所狭しと大地を駆け回っていた。

いくら駆けども体力は尽きず、両の脚は前へ前へと出続けた。このままどこまでも行ける気がした。

そんなとき、誰しもが空想しただろう。

この足が地面に着く前に、もう片方の足を空中に出せば。そしてそれを繰り返せば。

あの空に行けるのではないか。

というわけで今回は、右足を前に出して地面に着く前に左足を出して…を繰り返すと、空中を歩けるのか。こちらを検証する運びとなった。

あの時幼心に抱いた疑問に、我々はまだ回答できていない。全国の大人を代表して本日、この問いにマジスカスクエアガーデンが挑戦する。

調査開始

今回は都内某所の河川敷にて、調査を執りおこなう。

被験者の2名には空中闊歩について事前に対策などをされないよう、企画趣旨を伝えずに集まっていただいた。

幼き我々が何度も駆け回ったあの青空の下で、検証に臨む。

時代が変わっても、街が変わっても。この空の青さだけはあの頃と変わらない。

お疲れさまです。時間ですね、始めましょうか。

外寒いなぁ。何が始まるんだよ。

ごどう…当サイトの企画スタッフ。これまで数々の体を張る企画に参加し、その類い稀なる身体能力を披露してきた。今回の挑戦にも期待がかかる。

久々に呼ばれたと思ったら、内容をまだ聞かされてないんだけど。

カズマ… ごどうとぴろぴろの友人。1年半ぶりに本サイトの企画に参加する。

いやぁ、見てくださいよこの広い河川敷。今日はここを目一杯使いますよ。

ぴろぴろ…当サイトの管理人で、今回の進行を担当。学生時代は陸上部で脚力には自信があるものの、今回は二人の挑戦の成功をひたすらに祈る。

今日はですね、二人が空中を歩けるかどうかの検証をおこないたいと思います。

空中は歩けないよ？言ってなかったっけ？

ワイヤーで吊るすとか？だだっ広い場所だしクレーン車とか手配してるの？

いえ、私たちにそんなお金はないですよ。

じゃあどうするんだい？

まずこうやって右足を上げるじゃないですか？

それでこの上げた右足が地面に着く前に素早く、

左足を上げます。

これを繰り返すことで、宙に浮いてもらいます。

えっ。

・・・え？

・・・あ”？

なんで一触即発なのよ

よく考えてください。普通に考えて右足が地面に着く前に左足を上げて、さらに左足が地面に着く前に右足を上げてれば、

原理的にはどんどん上にいけるじゃないですか？難しいことは言ってないんですが。

なんで出来ない子扱いされてんの俺ら。

原理が分かることと出来ることは別なんだよな。

最初は難しいと思いますけど、練習すれば絶対にできるはずです。

やったことあるやつみたいな自信だなこいつ。

まあ、とりあえず検証自体は出来るけどよ。

はい！とにもかくにもやってみてくださいよ！

じゃあ試してみるか。。

よっと！ほっ！おらっ。

おらっ！ほっ、ふんっ！

ふざけないでくださいよ。

てめえだよ。

いやこれ、口で言うよりもよっぽど無理だわ。

踏み込むきっかけがないから、片方の足が浮いてる時にもう片方の足を上げるのが難しすぎる。

理屈はわかってるんだけど、うまく身体が動かないなあ。

ふん！ふぅんっ！

ふんっ！あぁーーーっ！もうダメだ！

体力的にも厳しいな。子供の頃はよくこんなこと妄想したけどさ。

早いとこコツを掴まないと、そう何度も挑戦はできないかもしれないですね。

コツなんてあんのかよこれ。

まぁまぁ。イライラしたら余計できなくなりますよ。冷静に。片足が落ちる前に、素早くです。

よし、もうちょっと頑張ってみるか。右足が落ちる前に左足ね。

はっ！はぁっ！

何ですかそのステップ。人をおちょくるのもいい加減にしてください。

なんでこんなことして、こんなこと言われなきゃいけないんだ。

足の動きはなんか良くなってきた気がする…、おらっ！そいっ！

よしっ！おぃっ！もうちょいっ！右足が落ちる前に、左足っ…！

なにくそっ！

えっ！！

うわっ！！！

おお！！ついに！！

できたぞ…。空中にいけたぞ！

えっすげぇ！！引くんだけど！！

出来るぞこれ！そうだ、落ちる前だ！いいか？落ちる前に上げるんだ！

さっきまでと情報量が変わってねえよ。

ごどうさんも頑張ってくださいよ。

よし….俺も….

右足が落ちる前だな…落ちる前に左足を….

そやっ！ぉおっていっ！

おお！！

やばっ！

そうか、落ちる前か。

コツを掴んだようですね

検証結果

右足を前に出して地面に着く前に左足を出して…を繰り返すと、空中を歩ける。

ゲームのバグみたいになってない？大丈夫？

なってますが、大丈夫だと思います。

これってもしかして、また右足を上げて左足を上げてを繰り返せばもっと上にいけるんじゃないの？

そうですね。そのはずです。せっかくなのでもっと上がってみましょう。

よし、行くぞ。

右足が落ちる前に、左足だな！

おお！上がってく！

これ一回掴めるとあとは早いな！スキーやスノボに近い！

空中を歩くことは、スキーやスノボに近かったんですねぇ。

結構な高さまでいきましたね。

なんか変な感じだなあ、地面を踏んでないってのは。ムズムズするというか。

でも街が一望できて最高だな！

お二人ともお疲れ様です！

どうでしょう。せっかくなんで、このまま飯でも食いに行きませんか？

確かにちょっと腹減ってきたわ。

体力使ったもんな。今日まだなんも食ってないし、行くか……あれっ。

これ降りるのってどうやるんだっけ。

僕に聞かないでくださいよ。

あれっ、確かに。えっ。

まあ時間が経ったら下がってくると思いますよ。飯屋行きましょう。

そんな風船みたいになるかね。

まあ、まさかこのままってことはないだろうが。。

とりあえず駅の方行きます？

ん、うん。そうだね駅の方に。

いやあ最近は日が暮れるの早いですよねえ。

ごめんぴろぴろ、ちょっと声遠いわ。

ガストにしましょう。

お、いいねぇ。

久々に来るわ。まさか浮いたまま来るなんてな。

いやぁお腹すきましたね。いただきます！

いただきます。

美味そう！この後の予定は？特になし？

はい、特には。これ食べ終わったら、駅まで戻りますか。

ほふほふ、そうだね。もぐもぐ。。

うん、うまい。ガストのカツ丼うまいわ。

そして日は暮れ、3人は駅へと戻った。

いやぁお二人とも今日はお疲れ様でした。

お疲れ！結構楽しかったよ。

いい経験ができたわ！

うまいことできてよかったです。

てか、流石にそろそろ下に降りたいな。まあまあストレスだわこれ。

確かに。風のあたりも強い気がする。風船の下がり方も一向にしないんだけど。

え？あぁ。

あれじゃないですかね。上がる時と同じ要領で、

左足をまず下に降ろして、その左足が上がりきる前に、

右足をさらに下に降ろせばいいんじゃないですか？

誰もが思いつく内容だな。

左足が上がりきる前に右足を…！んおっ、結構むずいぞこれは…！！

上がる時よりも難しいな…！！降りる方のが大変だ…！

まぁでも、今日の企画には、

下がる方は検証には入っていないので、

そうだけど。。色々どうするんだよ明日から。

コンビニのバイト休まないとな…高い位置のタバコ取るくらいしか出来ないわこれじゃあ。

それでは、お疲れ様でした！

後日…

いやあ…それにしてもなあ。。

あの後はまじで大変だったよ。降りる方は上がる方の倍以上時間かかっちゃってさ。

なぜか降りる方が難しいんですね。

降りる方は使う筋肉も全然違うね。いやぁ、もう上がるのもこりごりだよ。

ごどうさんは…その日は結局降りれなかったみたいですが。

そうだね、あの日は俺だけ降りれて、先帰っちゃったけど。大丈夫だったんかな。

そういえば今日ごどうもくるんだよね？

そうですね。そろそろくるはずですが、

おっ。

きたっ。

おつかれぇっす。

完