2000年代初頭、Youtubeやニコニコ動画などの動画共有サイトが台頭する一世代前にFLASH黄金期という時代が存在した。
動画コンテンツの黎明期である当時、アニメのパロディや恐怖映像などのおもしろフラッシュがインターネットコンテンツの中心であった。
そのアンダーグラウンドな作品群が我々を魅了してやまなかったのである。
そして、そんなおもしろフラッシュの象徴的な存在である「ウォーリーを探さないで」を皆さんはご存知だろうか。
※びっくりFLASHです。心臓の弱い方はご注意ください。
これは絵本『ウォーリーをさがせ!』のパロディ動画であり、動画の最後に突然化け物の恐ろしい顔と叫び声が流れるホラー系フラッシュだ。
最初はウォーリーを探すことに集中してしまうため、その衝撃は凄まじいものである。このFLASHは多くの人にトラウマを植え付けた。
しかし、紐解いてみるとこの「ウォーリーを探さないで」のやり口は実にシンプルだ。
ウォーリーを探させることでユーザーの注意を動画から離さず、数十秒間の無音ののちに急に大きな音声を流す。これではビックリして当然なのである。
この「ウォーリーを探さないで」の動画の最後には、
もはや何が来てもビックリしてしまうのではないだろうか。
あのとき散々驚かされたFLASHの構造を露わにしてみよう。我々が恐れ慄いた件の動画は、結局なんでも良かったんじゃないかと鼻で笑えるのではないだろうか。
ということで今回は「ウォーリーを探さないで」の最後を違う映像に差し替えたら、オリジナル同様にビックリしてしまうのかを検証する運びとなった。
インターネット全盛の今、あの頃よりも少しだけ大人になった我々が今宵トラウマへと挑む。
検証開始
今回は次の人物に検証に参加してもらう。
ごどう…当サイトの企画スタッフ。中高6年間は柔道部に所属し、屈強な精神と肉体を持ち合わせる。ウォーリーに関しては、探すよりも探される方が似合っている。
このごどうに対して、最後だけ違う映像に差し替えた「偽・ウォーリーを探さないで」を見せていき、その反応を記録していく。
今回は我々が用意した動画は8個ある。
果たして。
中高6年間の柔道生活では勘の良さも鍛え上げられたようだ。
幾ばくかの静寂ののち、突如飛び出す8つの映像に彼はどんな反応を見せるだろうか。
それでは早速1つ目から見ていこう。
※心臓の弱い方はご注意ください。
①
1つ目に我々が準備したのが次の動画である。
それではごどうの反応を見てみよう。
普通に見ればいいの?
結果:突然目玉焼きを焼いてもビックリした。
なんと目玉焼きを焼く程度の日常動画でも驚かせることができるのだと判明した。
このまま、あの憎っくきFLASHを丸裸にしてしまおう。
続けて2つ目を見ていこう。
②
ごどうの反応がこちらである。
結果:ブルーインパルスが飛び立ってもビックリした。
びっくりの後にじわじわとした腹立たしさがある。
全くどうでも良いことでびっくりさせられると、人はこんなにも腹がたつのかと感嘆するごどう。
次はどうなるだろうか。3つ目である。
③
結果:ブルだけどちょっとビックリした。
ダーツも、俺も。
反応は前半2つよりかは弱まったが、本来地味な映像でビビってしまうと悔しさもひとしおのようだ。
この調子で4つ目にいこう。
④
結果:Queenにつられながら少しビックリした。
徐々に耐性がついてきたと思われるごどう。
ここで我々は「この手もあるぞ」ということをごどうに知らしめるために、次の一手に出る。
⑤あえてオリジナルを見せてみた
結果:原点回帰でビックリした。
今回は正常な反応をしてるよ、俺は。
単純に本家のように怖いやつもあり得るぞとごどうの襟元を正した上で、
6つ目を見ていこう。
⑥
結果:風流でビックリした。
…鹿おどしを人間に使うなよ。
本来人を和ませるための鹿おどしですら畏怖の対象とさせるウォーリーを探さないでシステム。
その応用力に我々は相変わらず舌を巻くばかりだ。
続いて7つ目を見ていこう。
⑦
一斉にスタート切んなよ。
結果:ビックリしたしめちゃめちゃイラっとした。
次がラスト、8つ目だ。
⑧
結果:ビックリしかけたが、耐えられた。
というわけで全8つの映像について検証が終了。
結論として、ウォーリーを探さないでのオチは何がきてもほとんどビックリすることがわかった。
ごどうには是非ゆっくり体を休めていただきたい。
総括
かつては「検索してはいけない言葉」とまで恐れられた「ウォーリーを探さないで」も、そのカラクリさえ知ってしまえば2回目3回目の驚きはない。
今回の目玉焼きも、目玉焼きの調理が始まるとわかっていれば何ら驚くことはなくなるだろう。そうやってコンテンツは次々に生まれ変わって、気がつけば時代が変わっていくのかもしれない。
かつてこの「ウォーリーを探さないで」を何の説明もなく見せられて悲惨な思いをしたあなたは今回理解したことだろう。
我々のトラウマや怖いものなんて、きっとそんなハリボテのようなものが多いのだ。
まさにドント・ウォーリー、ケ・セラ・セラですね☆
完