誰しもが一度くらいは、小学校や中学校の図書室にて、
以下の学習まんが『日本の歴史』を見かけたことがあるだろう。
これらは小学生でも読めるくらい分かりやすく、何より漫画で日本の歴史を学ぶことができるのだから凄い。
1981年に刊行されてから今まで、表紙のイラストなどは度々改変され、最近ではこんな可愛いイラストのものまで発売されている。
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 1 日本のはじまり 旧石器~縄文・弥生~古墳時代 山本 博文:児童書 | KADOKAWA
あんな面倒くさい歴史の勉強が、
この漫画を読むだけで済んだら最高だ…
歴史の授業は小学校、中学校、高校とずっと続くし、それをもしこの漫画を読むだけで済ませられたら最高ではないか??
あわよくば……..
大学受験の際に必ず受けるセンター試験で社会科目の1つである日本史が8割を越えればかなり御の字だ。
一番しんどい大学受験の勉強こそ、この漫画で終わらせたい…
だから今回はこの、
学習まんが『日本の歴史』にそれだけの力があるのかどうか
を検証していこうと思う!
この検証の素晴らしさ
この検証、この漫画で勉強を済ませて、ただ楽がしたいというばかりではない。
もし「学習まんが『日本の歴史』を〇〇冊読めば、センター日本史8割を取ることができる」ということが実証できれば、以下のような未来があるはずだ。
つまり端的にいうと、
世の中を変えられる….
絶対に実証しよう。
検証の方法
今回は図書館で借りた学習まんが『日本の歴史』を1巻から順に読んでいき、1冊読み終えたらセンター日本史1年分を解いて答え合わせ。
正答率が8割を超えるまで、その繰り返しである。
もちろん読む冊数は少ないに越したことはないので、
全巻を読み終える前にセンター日本史で8割を突破すれば、その時点で検証は終了する。
例えば全24巻のうち、17巻を読んだ時点で8割を越えれば、
「学習まんが『日本の歴史』を17冊読めば、センター日本史8割を取ることができる」という結果で検証を終了する。
極端な話1冊目で終わる可能性だってある。
そして今回この検証を行う人物がこちら。
ぴろぴろ….当サイトの元気印。センター試験はとっくの6年前に終え、当時受験した社会科目は世界史Bだったので、日本史の知識はほとんどなく、かなり正確な検証を行うことができる。
そしてこの検証はシリーズ物とし、
今回は1~5巻分のみとする。
検証スタート。
では早速検証を開始していこう。
まずは近所の図書館へ必要な分の学習まんが『日本の歴史』を借りに行く。
今回は1~5巻を借りた。
そして次は書店にてセンター日本史21年分を購入。
ネット上には18年分程度の過去問しかなく、今回の検証では最高で24年分の過去問を解く可能性があるので、仕方なく決して安くない値段の過去問集を買うことに。
そしてここに…
役者は揃った。
さっそく漫画の方を読んでいこう!
学習まんが『日本の歴史』1巻目
まず1巻目である。
1巻目は『①日本の誕生 旧石器・縄文・弥生時代』だ。
ふむ。
最初の導入部分は漫画ではなく資料も結構挟み込んであるのか。
漫画は分かりやすくて内容も結構面白い…
途中村人たちが捕まえた小さいマンモスを、村の子供がかわいそうだからと深夜にこっそり逃してあげるシーンが秀逸である。
さらに普通に犬がギャグを言うなど、ポップなニュアンスも含まれているようだ。
〜45分後〜
第1巻、読了。
内容はまぁまぁがっつりで、読むのに結構時間がかかった。
それでは忘れないうちにセンター試験の過去問を1年分解こう。
一発目は1999年の日本史Bである。
あえてこの冊子に収録してある一番古い年から順に解いていこうと思う。それでは解答スタート。
ふむふむ。いや、めちゃめちゃ難しい。
漫画の方で旧石器〜弥生時代にかけてを押さえたので、大問の1つくらいはものにできると思ったが、そこまで甘くはないようだ…
結果的に全36問の中で、先ほど読んだ漫画の中に出てきた内容と関係ある問題は2問のみ。
それ以外の問題はほぼ野生の感で解いて、終了。
さっそく答え合わせをしよう!
漫画と関係ある2問は片方のみ正解。そしてそれ以外については、適当に選んだ答えが偶然正解になったりして結局….
1回目: 34点
という結果になった。正答率は3.4割。上々の滑り出しである。
そして今回は読んだ漫画の数と得点率をグラフにして観察していく。
青い方が点数で、赤い方は全設問の中の、読んだ漫画と内容が重なっていた設問の割合である。
つまりこの1回目でいうと、1巻の内容である旧石器〜弥生時代に関する問題は全36問中2問だったので、2/36で5.5%となる。
この赤の項目の数値が高いほど、それまでに読んだ漫画の内容が問題に出てきているということなので、赤と青の項目が同時に上がり続けることが望ましい。
※赤の項目の母数はそれまで読んだ漫画の累計とする
学習まんが『日本の歴史』2巻目
続いて2巻目。
2巻目は『②飛鳥の朝廷 古墳・飛鳥時代』だ。
前回よりも文字が多くなっていてかなり重い…
さらに言えば、中に出てくる貴族の人々の容姿に違いがほとんどない。
ヒゲが長いか短いかくらいの差しかないので、どちらが中臣鎌足か中大兄皇子かが途中でわからなくなってしまう….
〜1時間後〜
第2巻、読了。
2巻目は一気に参考書感が増していた気がする…
海外ドラマくらい多い登場人物はなかなか覚えきれないし、度々登場する家系図にはウッとなってしまう。
ただそればかりではなく、
持統天皇(女性)が自分と唯一血の繋がってる子供・草壁天皇を寵愛している様子などは、漫画のイラストからよく伝わってきた。
さて、それではセンター日本史を解いてみよう。
2000年の問題である。
前回の1巻と今回の2巻で、補える範囲は若干増えているはずだ。
なんとか解き終わり答え合わせへ。
2回目: 23点
と前回よりも下がってしまった。
さらに漫画と関係ある問題は5/36で13.8%だったので、「全設問中読んだ漫画と関係があった問題の割合」は上がり、点数は下がるというよくない結果となってしまった。
このような結果になった時は、本をもう一度読み直すという鬼のオプションを経て先へ進む。
このグラフの青が赤を下回ることは決して許されない。
学習まんが『日本の歴史』3巻目
3巻目は『③奈良の都 奈良時代』だ。
2巻よりもイラストが中心でかなり読みやすい。
「写経のアルバイト」などのような面白い単語も出てくる。留学先の唐から日本へ戻る際に、嵐でベトナムまで流される阿倍仲麻呂の悔しそうな表情が胸に刺さる。
20ページ前後に及ぶ鑑真の日本への渡航の物語が終わり、
第3巻、読了。
早速センター日本史2001年へ。
3回目: 42点
点数はここまでの3回で最高だが、全設問中読んだ漫画と関係があった問題の割合は11%だった。
点数こそ高いが、漫画とは関係のないところで正解していても勘で当てた問題が多い可能性があるので、諸手をあげて喜ぶことはできない。
これからである。
学習まんが『日本の歴史』4巻目
4巻目は『④平安京の人々 平安時代前期』だ。
内容の大半が最澄&空海と菅原道真の話という、まさかの文化人で占められたハズレ回である…(そんなこと言ってはいけないのだが)
そして遣唐使が唐へ渡る道のりで嵐に見舞われる光景は、アメリカ人が朝にシリアルを食べる光景くらいお馴染みとなっている。
平安京の清涼殿の真上で稲光が起き、それが原因で病気になった醍醐天皇が死ぬという論理展開を無視したラストを迎え、
第4巻、読了。
まじで登場人物の容姿にもう少し変化が欲しいところではある…
そんな気持ちを噛み殺してセンター日本史へ。
4回目: 32点
点数は今回4回分の平均くらいか。
漫画4冊を読み終わった時点で、何と大問1つが漫画の内容で補えるようになった。
漫画と関係のある問題の割合は6/36の16%、徐々に伸ばしてきている。
グラフはこうなった。
青と赤が近いのは怖い。気を引き締めなければ。
学習まんが『日本の歴史』5巻目
5巻目は『⑤貴族のさかえ 平安時代中期・後期』だ。
出だしから平将門と藤原純友の2人による朝廷への反乱の話から入り、男の子である自分からしたら願ってもない戦乱系のお話だったが、途中からはずっと政治と文化の話に。
内気な性格の清少納言が、皆の前で歌を読み上げさせられ恥ずかしがる姿が少しかわいかったという印象しかない…
ただでさえ難しい政治の話をしていて理解に時間がかかっているのに、それに追い討ちをかけるように、白河法皇の孫である鳥羽法皇が、大人になると顔が白河法皇と同じになるというシステムで登場人物の把握に挫折する。
その鳥羽法皇に嫌われ、なかなか自分の息子を天皇にすることができない崇徳上皇が何かを企む様子を最後に…
第5巻、読了。
次回、崇徳上皇に何が….。
冷静に1日にセンター試験同じ科目を5回解くのはきつすぎる。。。
俺だってたまには生物も解きたい。
5回目: 47点
ここにきてキャリアハイのスコア。グラフはこうなった。
青と赤が一緒に上がるのは良いことだ。
徐々にこの漫画がセンター日本史の問題をカバーしつつあり、点もしっかりとれている。
総括
この漫画は若干参考書に近い風の漫画ではあったが…
持統天皇が寵愛している実の息子に見せる表情と、その他の血の繋がっていない息子に対する表情の違いなど、イラストがあることでよりわかりやすい場面は多かった気はする。
センター試験の問題は記述ではなく選択式なので、確かにこの漫画で大局を掴めば何とかなる感じはあった。
欲を言えば、漫画の中での登場人物の容姿にもっと違いをつけて欲しい。現状ヒゲが生えてるかどうかと、大人子供の違いくらいしか見受けれらないので….
次回、
予想外の速さで〇〇割達成….!?
そんな次回作がこちらです。