勢いの良い様子、威勢が良くて得意げに振舞っている様の意として「肩で風を切る」という慣用句が存在する。
大抵は「肩で風を切るように歩く」というように歩く動作とセットである。
確かに文字通り人が両肩を交互に前に出しながら歩く様子からは、ある種の威勢の良さを感じ取れる。
だが視野を広げてみてほしい。
風以外にも、肩にはもっと切れるものがあるのではないだろうか。
そもそも踏ん反り返って歩くような傲慢な姿勢は現代では受け入れられないだろう。今の時代に即した切るべき対象が、我々の肩には必要である。
ということで今回は肩を使って実際に切れるものは何があるのかを検証する運びとなった。
本調査を通じて肩の新たな可能性を文字通り切り開き、我々の肩にも新庄剛志もビックリのポテンシャルが備わっていることを発見していきたい。
調査開始
今回は次の人物に調査を行ってもらう。
ごどう…当サイトの企画スタッフ。中高6年間は柔道部であったため、その肩力(かたぢから)に期待。
ぴろぴろ…当サイトの編集長。今回はカメラマンとして取材の片棒を担ぐ。片付けが苦手でもある。
今回はごどうが自身の肩をもってして、様々なものを切っていく。
それでは最初に定番の「風」から切ってみよう。万が一ここで風も切れないとなったら肩を落とすことになるが。
見てて少しイライラするが、切れた。
さすが柔道経験者だけあって地肩がしっかりしているようだ。今回の検証について、双肩に担ってくれたのも必然である。
それでは続いて風以外に挑戦していきましょう。ぜひ肩肘を張らず、リラックスして臨んでくださいね。
それではここからが本題である。今回ごどうには利き腕である右肩にナイフを固定してもらう。
こうすることで本来のごどうの肩の切れ味が増すという算段だ。
これで準備が整ったので、早速初めていこう。
※当検証は周囲の安全に十分注意した上で行なっております。絶対に真似しないようご注意ください。
豆腐
まずは入門編の豆腐である。ここはすんなり切って次につなげたい。
豆腐とか切れなくて良いから助けて!
切れた。
しかしこのまま料理ができる状態に持っていくまでがミソである。
肩で何かを切るというのは並大抵のことではない。
我々もそのことを分かっていたはずだが、苦しむごどうを目の当たりにし、改めてその壁の高さに驚く。
だが終わりが見えてきた。
※当スタッフは専門家の指導の下、3ヶ月に及ぶ特殊な訓練を受けた上で行なっております。絶対に真似しないようご注意ください。
そして。
切り終わった。
形こそ綺麗とは言えないが、肩で豆腐は7等分できることがわかった。
「肩で豆腐を切る」成功です。偉大な第一歩ですよ。
それでは次へ移ろう。
ほうれん草
今度は豆腐ほど一筋縄では行かなそうな、ほうれん草だ。
体重をかけただけでは切り進めることはできない、先ほどよりも体の使い方と力のかけ方が重要になってくるだろう。
ダメですよちゃんと肩で切ってくださいよ。
こうなっちゃうんだよ…イテテ…
自慢の強肩と粘り強さを生かし、肩でほうれん草をざく切りにしていく。
豆腐よりも時間をかけながらも着実にゴールへと進み…
振り返っていかがですか。
ほうれんそうの水切り
続いてはほうれん草の水切りに挑戦してもらう。風と水を切れれば、対自然は言うことないだろう。
今回はザルを右肩に固定し、
ほうれん草を水で洗ったら、
準備完了だ。ここからはスピード勝負である。
どんな感覚ですか?
良い感じに動けている気はする、だが重要なのはちゃんと水が切れているかどうかであるが、
見よこの水漏れ具合、問題はなさそうである。
女性を傘に入れる時しかり、良い男と言うものは肩が少し濡れているくらいでちょうど良いのだ。
結果、肩で水を切ることもできた。
水が切れたら相当良いです!
総括
いかがだっただろうか。
街中で気が大きくなってしまい、踏ん反り返って歩く人たち。
普段から肩で風を切って歩く人たちも、ただ風以外にも切れるものがあることを知らないだけなのだ。
知識不足からそのような態度を取ってしまっている者を見つけたら。
迷惑な輩かもしれないが、一言教えてあげよう。
その肩、水も切れるんじゃない?
完
まずは肩慣らしとして、風から切ってもらいましょう。