皆さんはサブリミナル効果という言葉を聞いたことがあるだろうか。
これは人間がギリギリ認識できない程度の刺激を受け、それによって無意識のうちにその対象を意識してしまうことを指す。
例えばテレビCMなどで、視聴者が気づかない程度のメッセージを画面の端っこ、あるいはほんの数秒表示することで潜在的に訴えかける手法が使用された事例もある。
現在では、この『視聴者が通常は感知し得ない方法によって、何らかのメッセージの伝達を意図する手法』は公正ではないとして、サブリミナル効果の使用はタブー視されている。
しかし、SNSや画像検索で何でも姿形がわかる今この時代にこそ、我々は潜在意識に訴えかけることの価値を見つめ直す必要があるのではないか。
チラリズムという言葉もあるように、我々人類はときに表出しないものにこそ趣を感じてきた。
無意識のうちに働きかけるのと、意識してる上で働きかけるのでは、どちらの方が深層心理に残るのだろうか。
例えばハンバーガー。人がそれを食べたくなる瞬間は、アニメ『キン肉マン』でハンバーガー片手に登場するテリーマンの映像を見たときなのか、はたまたマクドナルドのCMを見たときなのか。
ということで今回は100回サブリミナルを見るのと、1回めっちゃ見るのとでは、どちらが深層心理に残るのかを検証する運びとなった。
今回の我々の検証が、心理学や行動経済学、あるいはマーケティング研究の進展の一助になれば幸いである。
ちなみに今回の検証は、迅速なDVDのディスクコピー、オーサリング、フラッシュメディアコピーなどを手掛け、
「きれいがウレシイ」を届ける、株式会社日本ビデオサービスディスクズ様の提供でお送りする。
検証方法
今回の検証には次の人物に参加してもらう。
ごどう…当サイトの企画スタッフ。「サブリミナル効果」を初めて知ったのは、小5の夏。DVDの録画映像でおこなわれた遊戯VSペガサス戦での一幕だった。
ぴろぴろ…当サイトの管理人。「サブリミナル効果」を知ったきっかけは記憶にないものの、いつの間にか知識としてはあったため、この状態こそがサブリミナルだと実感している。
今回ごどうには「思い出の映像をDVDに焼いて二人で観ながら談笑したい」と伝え、事前にごどうが普段行なっている演劇活動の映像を受け取る。
その映像に0.1秒間のサブリミナル映像を差し込んでからDVD化し、以下の方法で検証を進める。
①「カレーライス」のサブリミナル映像が差し込まれた映像を見せる。
⇨鑑賞後、ごどうに『この後飯にしようと思うが、何が食べたいか』と聞き、今食べたいものベスト15まで答えさせる。②「カレーライス」のみが延々と流れる映像を見せる。
⇨鑑賞後、改めて今食べたいものベスト15をヒアリングし、「カレーライス」の順位の変動があるかどうかを確認する。
また今回はカレーライス以外にも某人気ゲームキャラクターである「ヨッ⚪︎ー」と「3回見たら死ぬ絵」のサブリミナル映像を差し込んだものも作成し、上記と同様の手順で検証していく。
それでは早速見ていこう。
検証開始
まず今回我々は映像のDVD化を依頼した日本ビデオサービスディスクズさんのオフィスへと向かった。
「日本ビデオサービスディスクズ」とは、DVDやブルーレイのオーサリング*などを特急で対応している会社である。
※オーサリング…撮影・編集済みの映像データからBlu-ray、DVDを作成する作業
基本的にDVD、CD、ブルーレイ関連ではあればほとんど何でも対応しており、オリジナルグッズの作成も開始するなど、コンテンツ制作者にとっての心強い味方だ。
こちらは日本ビデオサービスディスクズの社員・熊澤さんである。
突然いっぱいサブリミナルを作らせてしまい
ちなみに熊澤さんはどうでした?編集してて、カレーが食べたくなったりとか。。
3回見たら死ぬ絵も10回は直視してしまいました。
1余りますね。
通常のDVDでも良さそうなものだが、なんとブルーレイに仕立て上げていただいた。ごどうの鑑賞にも興が乗りそうだ。
どうですか?マジスカさんも。
サブリミナル映像が盛り込まれたブルーレイを受け取った我々は、一旦熊澤さんと別れ、ごどうのいる場所へ向かった。
①カレーライスのサブリミナル
思い出の映像ってのは?
・・・3枚??
こちらは観終わったらごどうさんに差し上げます。
まず1つ目のブルーレイの映像にサブリミナルとして仕込んだのが「カレーライス」である。
前述の説明の通り、前編映像の中には0.1秒間のカレーライスの映像が100回差し込まれており、終了後にごどうの今食べたいものをヒアリングする。
その後カレーライスのみの映像も見せ、再度食べたいものをヒアリングするという流れだ。
ごどうの目の前に広がる映像は一見何の問題もない高画質の映像だが、すでに画面のところどころにカレーライスのサブリミナルが姿を現し始めている。
0.1秒間カレーライスの映像が映る瞬間
カレーライスが出た
すげぇ腹減ったな。
具体的に何かを食べたいと明言したわけではないが、映像の途中で突如空腹に襲われるごどう。
この時点ですでにカレーライスのサブリミナルは50回以上映し出され、ごどうの深層心理には野球部の合宿並みの量のカレーが入り込んでいるはず。
果たしてサブリミナルの影響なのか。それともただの偶然なのか。
スタジオで見てるワイプのようにカレーが映る瞬間
その後もカレーライスのサブリミナルは画面の全体、あるいは端に表示される形でごどうの脳内へ訴えかけていった。
果たしてごどうの今食べたいものはいかに。
こうして100回分のサブリミナルが終わり、やがて演劇の映像自体も終了した。
じゃあ、まぁ1番は…そうだなぁ。
7位がグラタン。
8位が牛丼。
9位がそうめん。
10位がつけ麺。
12位が焼肉、
13位がケバブ、
14位がたこ焼き。
15位がとんかつ。
こんな感じかな。これでいい?
誰の思い出の映像なの?
ウィーン
そういう手品?
ちなみに今食べたいものを15位までもう一度教えてもらえますか。さっきのメモしてなくて。
3位が牛丼、
4位が寿司、
5位がそうめんで、
6位が…
俺が食いしんぼうみたいじゃねえかよ。
それでは演劇の中編の映像に移りましょうか。
1つ目の検証の結果、被験者の食べたいものランキングにおいて100回サブリミナル直後の1位はカレーであり、
その後カレー単体映像の視聴直後のランキングも、同じくカレーの二連覇で終わった。
これはサブリミナル映像の効果がいきなり表出したと言えなくもないが、単に被験者がカレー好きである可能性も否めない。
続いてヨッ⚪︎ーの例で実験に移り、この事象を深く掘り下げていこう。
②ヨッ⚪︎ーのサブリミナル
続いては最初に見せる映像の中に0.1秒間のヨッ⚪︎ーが100回差し込まれており、終了後にごどうが今プレイしたいゲームをヒアリングする。
その後ヨッ⚪︎ーのみの映像を見せ、再度プレイしたいゲームをヒアリングするという流れだ。
約15分の映像の中で全100回出現するヨッ⚪︎ーのサブリミナルが冒頭1分から早くも姿を現し始めている。
果たしてごどうの脳内にヨッ⚪︎ーはどう存在感を示すのか。
舌を伸ばすヨッ⚪︎ーに向かって言っているなら、期待値が高すぎるコメントだ。
そして
このいったん落ち着く時間が無理矢理にでも作られるというか。
ちょっと別件なのですが、ごどうさんが今やりたいゲームって何だったりしますか?
うーん。。まぁ、そうだなぁ・・
2位が「ペーパーマリオRPG」
で3位が「MOTHER2」。
4位に1995年発売の、ヨッ⚪︎ーが主役のヨッ⚪︎ーシリーズ1作目「ヨッシーアイランド」が食い込んだ。
6位が「逆転裁判3」。
7位が「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」。
8位が「バイオハザード5」。
10位が「スーパーロボット大戦MX」。
11位が「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」。
12位が「ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち」。
13位が「スーパーモンキーボール2」。
14位が「ボクらの太陽」。
で、15位が「マリオカート7」。
以上です。
マ⚪︎オの思い出?
ねぇ、何を見せられてんのこれ。
で2位が…
ヨッ⚪︎ーだけの映像をガッツリ見る前と後では「ヨッシーアイランド」の順位が3つ上がった。
元々のやりたいゲームランキングの1位であるスマブラにもヨッ⚪︎ーは出演しているが、同じく上位にペーパーマリオなどの作品も入っていることから単純にごどうは任天堂作品をより好んでいるという見方もできる。
そんな中でヨッ⚪︎ー主演の「ヨッシーアイランド」が1位に躍り出たことから、ヨッ⚪︎ーだけの映像をガッツリ見ることの脳への刺激がより強いものであることが一概には否定できないとわかっただけでもヨッシーとする。
色々なことがわかったところで、最後「3回見たら死ぬ絵」のサブリミナル検証に移ろう。