皆さんは『アキネーター』をプレイしたことはあるだろうか。
魔人の風体の男が繰り出す質問に答えていくだけで、今自分が頭に浮かべている人物(キャラクター、動物)を的中させるプログラムエンジンである。
質問はこのような抽象的なものから、もうそれ特定できてるよね?と言いたくなるほど具体的なものまで存在する。
ユーザーが選択できる回答も、5種類用意されている。
アキネーターの裏側の仕組みはいわば人工知能の類であり、
開発された2007年から膨大な回答のデータを蓄積し、より少ない質問で人物を特定できるべく日々進化している。
もはや有名人であれば10問程度の質問で特定できるのだ。
自分が思い浮かべた人物をいとも簡単に当てられ、思わず背筋がゾッとしたという経験をお持ちの方も多いだろう。
しかし、
そんなアキネーターでも、あまりにニッチな人物だと特定が難しくなる。
また、アキネーター側には「降参」というアクションも存在し、最後までプレイヤーが考えている人物が当たらないまま終了することもある。
自分の中では特別な存在だと思っていた人物が、アキネーターになかなか特定されないことで、自分の認識と世間のギャップに苦しんだ人もいるだろう。
今回はたとえどんなニッチな人物(キャラクター)でも、アキネーターにズバッと言い当てられる爽快感を味わえる方法を考えた。
これまでアキネーターが映し出す世論に苦しんできたみなさん。この記事を読むことで、ニッチな人物やキャラが魔法のように当てられるあの瞬間の興奮を、もう一度味わおうではないか。
調査開始
ちなみに今回はアキネーターに即座に当ててもらうため、運営側でニッチと言えるキャラクターをあらかじめ選ばせていただく。
熟慮の末、以下の8人を選定した。
①ユーリャ・ヴォルコヴァ(t.A.T.u.)
②仲間由紀恵withダウンローズ
③ビッグナイフ・サーキース(ONE PIECE)
④川口洋(ドラゴン桜・英語特別講師)
⑤ギョウ虫検査の天使
⑥清水章吾(俳優)
⑦スイミー
⑧?????
僭越ながら8人目はシークレットとさせていただいたので、進めながら皆さんも当ててみていただきたい。
そして今回、この8人のニッチたちをズバッと言い当てる「特別版アキネーター」がこちらだ。
もうお気付きのこととは思うが、我々にアキネーターを凌駕する学習データの集積や処理演算を実現する能力は微塵もない。
そこで今回は、このパロディAVのような仕上がりのアキネーターを利用して、ニッチな人物をすぐに言い当てるシミュレーションをさせていただこう。
長々と質問をさせられても面倒なので、快適感を増すために、2、3個の質問ですぐに言い当ててくれることにする。
それでは早速、頭に浮かんだニッチなキャラをこの男に言い当てられることで、本家アキネーターでは味わえなかった爽快感を味わっていこう。
ユーリャ・ヴォルコヴァ(t.A.T.u.)
まずは性別など、大きなカテゴリを利用して具体度を上げていく。本家アキネーターでもよく見られる戦法である。
ユーリャ・ヴォルコヴァは女性なので、もちろん「はい」だ。
そこからさらに、ビジュアル面などの特徴を限定していき、可能性を絞っていく。
当然これも「はい」だ。
いきなり加速してしまった。
しかし質問は2、3個で済ませる予定なのでちんたらやってる暇はない。すぐにトップスピードへとギアを入れることが肝心なのだ。
そしてどうだろう。想像していた人物が言い当てられた瞬間、何とも言えない爽快感が全身を駆け抜けていくではないか。これにはタモリもニッコリだ。
それではこの調子で2人目へと進もう。
仲間由紀恵 with ダウンローズ
数多ある質問を投げかけるアキネーター。当然一発目からキャリアから聞いてくるケースもあるはずだ。
きっともう答えが分かっているのだろう。
小憎たらしい表情で外堀を埋めてくる、アキネーターはこういうゾーンに突入する時間が存在する。
一丁あがりというわけだ。
1問目からすごい距離の縮め方が、出会い厨のような距離の縮め方が必要になる。
しかしこのグループ、本家でプレイしても中々ヒットしなかったが、このように擬似的に言い当てられる爽快感を得ることができた。
続いては3人目、サクサク行こう。例えば対象が漫画のキャラクターでも、本企画は有効である。
ビッグナイフ・サーキース(ONE PIECE)
途中で一回聞いてくる余裕。
一応だけどビッグナイフ・サーキースで合ってるよね?と、念のための確認を入れる余裕すら見せつける。
空島の手前で遭遇したベラミー海賊団のNo.2でも、一瞬で言い当てられる爽快感を得ることができた。
続いては4人目。
川口洋(ドラゴン桜)
この人がヒットするとは気持ちがいい。
世界広しと言えど、身体の動きと連動させて英語を覚えさせる有名人が何人いるのだろう。
人気ドラマ「ドラゴン桜」の生徒ではなく講師陣の方をたった2問でしっかり特定するアキネーター。これはなんとも爽快だ。
続いては5人目だ。
ぎょう虫検査の天使
ああ、これも気持ちいい。
日本昔ばなしのEDの小坊主(尻を出して1位になる人)ではなく、ぎょう虫天使を思い出せるのがアキネーターの底力だ。
本家では魅せてくれない特定力を、この人力アキネーターで遺憾無く発揮することができる。
続いては6人目。
清水章吾(俳優)
素晴らしい。気持ちが良い。
CMで長時間チワワと見つめ合った時点でほぼ一人に絞られるものの、笑金でボブサップとともに運営側に回っていた過去までも掘り起こし、我々に強烈なそう言えばそうだった感を与えてくれる。
爽快感の他に懐かしさをも感じさせる、我々の理想とするアキネーターではないか。
7人目はこちらだ。終盤なのでテンポよくいこう。
スイミー
一撃必殺みたいになってきた。
スイミーを担当パートで特定する胆力こそ、アキネーターの真髄であろう。
確かに目の部分を担当したキャラクターは、世界広しと言えどスイミーしか存在しないかもしれない。
?????
そういえばこんな人もいた。
エンタの神様の初期を支えたMr.マリックの別人格も、たった一つの質問で特定できる爽快感がある。
部分的にMr.マリックだと言える人物なんぞ、彼しかいないだろう。初手でMr.マリックの線を疑うギャンブル精神も素晴らしい。
この質問に「はい」と回答すれば正解はMr.マリックになるため、その場合もその場合で特定できる。中々よくできた質問だ。
以上、8人のニッチなキャラクターを言い当てるシミュレーションをおこなってきた。
皆さんも気持ちよさの片鱗を味わうことができたのではないか。
総括
近年さまざまなコンテンツは趣向の多様化が進み、ニッチという領域は増幅し続けている。
インターネットの向こう側には同好の士がいるものの、ニッチなコンテンツはその市民権から孤独な思いをすることも多い。
そんなとき、アキネーターだけでも貴方の考えていることを理解してくれたら。
世の中の孤独が一つだけ、減らせるのではないだろうか。
これからもあなたの大好きな何かを、アキネーターが一瞬で当てられますように。
完