部屋の窓の外を六本木ヒルズから見える景色に変えてみた




 

戦国時代より、大名や武将といった地位の高い人間は山の上など高い場所に住む傾向にあった。

敵軍からの防御という側面も強いが、どうやら「住む場所の高さ」がそのまま地位の高さを示す象徴でもあったようだ。

 

その系譜は現代にも引き継がれ、やはりお金持ちの人ほど「タワーマンション」のような高い場所に住んでいる傾向にある。さらにタワマンの住人の中でも高低差が存在し、上階になればなるほど家賃と年収は増していく。

 

最上階ではきっと、国会議員の先生がワイングラスを片手にペルシャ猫を撫でているに違いない。その一人息子は悪友とつるんで日々非行に走る問題児だが、仲間たちとバンドをやる夢を親に伝えきれずにいるのだろう。

そんなとき、一人の新米教師が赴任してきたりするものだ。

 

すなわち結局のところ、

 

 

この日本という国において、そのような超高層ビルの住人になれるのはわずかな人数だ。そのステージに行き着くまでにはお金も時間も労力もかかる。

 

ただし、超高層ビルから見える外の景色を、そのまま自宅の窓から見ることができるとしたらどうだろう。ほとんどそこに住んでいると言っても過言ではないはずだ。

 

ということで今回は自宅の窓から見える風景を、東京そして日本を代表する複合施設である「六本木ヒルズ」の建物の中から見える景色に変えてみたいと思う。

 

そもそも六本木ヒルズとは?

六本木ヒルズとは都市再開発を目的として港区六本木に造られた複合施設であり、高さ238mの森タワーを中心に、集合住宅である六本木ヒルズレジデンスや多数の文化施設から体を成している。

六本木ヒルズレジデンスの方は家賃数十万は当たり前で、月100万を越える部屋もザラにある。

 

森タワーはオフィスフロアが中心のビルではあるが、ここに巣を作っている企業はAppleやゴールドマンサックスなど、世界的に有名な企業ばかりだ。

これらの社員にならないと勝者の景色は臨むことができない。

 

そして今回はその先端が天にも達するかと思われるほどの超高層ビル「森タワー」の中から見た景色を、自宅の窓に映し出してみる。

 

「六本木ヒルズに行きた〜い♪」とのたまう世間の声を尻目に、我々は六本木ヒルズに来てもらうことにする。

 

作業開始

今回は、当サイトの企画スタッフである桐生の自宅を使用する。

 

桐生…港区にある大学を中退した経歴を持つ。高層マンションの最上階を意味もなく睨む。

 

ちなみに桐生の自宅の窓から見たデフォルトの景色がこちら。

しがないアパートの一階であり、もう一階を絵に描いたような光景だ。六本木ヒルズとは対極に位置する大田区家で、是が非でも勝ち組の景色を体現したい。

 

まずは六本木ヒルズ森タワーから見た景色を探し、それを部屋の窓の大きさに合わせて「A3サイズ」の紙で埋められるように分割する。

 

例えば上記のイラストを六本木ヒルズからの景色と見立てた時、

 

今回の窓ガラスの四方のサイズにA3の用紙が全てはまるように、4×6の24枚に景色画を分割して印刷する。

そしてそれらの余白部分をカッターで切って取り除き…

 

必要な素材が揃ったので、

これらを窓の外側に貼り付けていく。

 

網戸を取り外し、左上から順番に貼り付けていく。

 

そして窓の外側から24枚の用紙を貼り付けて、

 

 

完成!

それでは早速、自宅の窓から六本木ヒルズの風景を味わっていこう。

 

六本木ヒルズからの景色

AM 9:00 起床。

 

今日の予定は大事な商談が4本。クライアントから送られた資料に目を通しながらコーヒーブレイクでもキメこもう。

デキる男は朝のひとときも自宅で優雅に過ごすものだ。

 

陽の光を浴びるため、おもむろにカーテンを開ける。

 

すると。

 

眼前に飛び込んでくる港区の風景。

 

タワマンの最上階でしか味わえない風景を目で味わい、今の自分の立ち位置を噛みしめる。

1日の仕事にも身が入るというものだ。

 

朝からランニングをしている人もいるようだ。しかし、こんな高層からの景色とあっては、人間なんて豆粒ほどにしか視認できないというもの。

言っちゃあ悪いが、上階の人間は下界の人々のことを視認する必要はないのだ。

 

印刷解像度の問題もあるが今は気にしない。

 

手を伸ばせば触れられそうな勢いだ。まるで港区のビル群がすぐそばにあるような気がする。変な縮尺で。

 

この光景。

 

悪くない。

 

自宅の窓から見える景色は、いわば自分の部屋における一つのインテリアだ。

切り取られた一坪ほどの風景が殺風景な部屋を彩ってくれる。まるでこの港区を手中におさめたかのような気持ちにさせてくれるのだ。

 

溢れ出る全能感。今なら何でもできる気がする。

ここから今日も1日、この景色の向こう側へ羽ばたいていくのだ。

 

ただ、窓を開けたら全部終わりだ。

 

眼前に広がる、一階を絵に描いたような光景。どちらかと言うとさっきの方が絵に描いたような光景なのだが、やはり急にハリボテ感が拭えない。

バカがやってるトゥルーマン・ショー

みたいになってしまう。

 

 

窓の開閉には気をつけよう。

 

せっかくなので、違う景色も!