以前、とあるお菓子を1000回振った後の中身の変化を面白がるブームが起こった。
誰もが知っているロングセラー商品、コアラのマーチである。
コアラのマーチは容器を開けずにそのまま1000回以上振り続けることで、中のビスケットがあるべき姿とはかけ離れた物体に変化するのである。
最初にその事実が確認されてからというもの、あらゆる人がそれを真似し始め、1000回後の中身の変わり様に皆が胸を躍らせた。
いつしかコアラのマーチに限らず、市販のあらゆるお菓子で「1000回振る」という行為が試され始め、それ自体がYouTubeなどにおける一つの企画として目立ち始めたのだ。
それぞれのお菓子の1000回振動後の姿は千差万別で、次のお菓子はどうなるんだろうという無垢なる疑問が、日本人の実験力・探究心に火をつけたのだ。
だからこそあの頃、全員揃いも揃ってお菓子を振っていたのだと、そう考える。
すでに1000回振った後の状態を見て、元のお菓子を当てることはできるのだろうか。
あの流行の最終的なサマリーはまだ提示されていない。結局どのお菓子の変わり様が激しかったのか、どのお菓子はあまり変わらなかったのか。
それをクイズ形式にしてあぶり出すことで、あの頃の全員揃いも揃ってお菓子を振っていた人たちの思いを背負った、最終章が実現するはずだ。
ということで、今回はあらゆるお菓子の「1000回振った後の状態」から最初の姿を当てるという実験をおこなうこととする。
全員揃いも揃ってお菓子を振っていた先駆者たちにリスペクトを込めて、今宵、我々もお菓子を振っていく。
今回参加するお菓子たち
今回はコンビニやスーパーのお菓子棚に陳列されている一般的なお菓子8種類を用意し、それらを「1000回振る前を当てる対象のお菓子」とする。
例えばセブンイレブン限定の、プライベートブランドのスナック菓子のような、培養液の中で作り出したようなお菓子は対象から外していく。販売される店舗が限定的なお菓子は除き、誰もが知っており一度は食べたことがあるようなものを選出した。
そして今回の審議の対象となるお菓子8種類を集め、事前に縦・横に計1000回以上振って中身を容器に移したものが、以下である。
その辺の野原から取ってきたものでは誓ってないので、改めて安心してほしい。
成れの果てを絵に描いたような状態だが、どれもかつては多くの子供たちを笑顔にしてきた第一線級のお菓子たちである。もはやかつての姿はなく、1000回振る前と後とでは大きく様子が変わってしまっている。
かと思えば、正解が口をつきそうなほど様子が変わっていないお菓子も存在する。一方でタイムスリップに失敗したかのような 左下の存在も気になるところだ。
それではこのふてぶてしい面構えを擁する8種の物体の1000回振る前の姿を当てる戦いを実施していく。
参加者
ごどう…このサイトの企画スタッフ。間食が好きで、お菓子は日々さまざまなバリエーションを摂取している。そのため今回の企画には自信あり。
桐生…このサイトの企画スタッフ。間食を取るくらいなら3食を全力で食べたいという気概であるため、お菓子はほとんど食べない。幼少期の記憶を頼りに、今回は戦う。
そして今回は次のようなルールで進めていく。
つまり正解・不正解に関わらずお菓子は食べられる、 非常に素晴らしいルールと言えよう。不正解の場合、元のお菓子を食べる資格がないのも当然だ。
しかしここから先は真剣勝負。名誉をかけて二人は本気で元のお菓子を当てに行く。
じゃんけんの結果、先攻はごどう、後攻は桐生という順番になった。
それでは早速開始しよう。
開始
まずは最初の5分間、二人は皿にのせられた物体を凝視し、1000回振る前の姿を想像する。
この時匂いによって何のお菓子かを認識するのを防ぐため、お菓子から50cm以内の範囲に顔を近づけてはならないことになっている。
※あくまで個人の見解です。
8種類の非日常を前に、真剣な面持ちの桐生。
8個中3個には自信を持っている桐生。しかし8個という少ない母数の中で、後攻を引いたことが大きな痛手であることに桐生はすでに気づいていた。
そう、先にごどうにそのお菓子を当てられる可能性が高いからである。
そして審議の時間は過ぎ、いよいよ一周目が始まる。
一週目
先攻はごどう。
正解すればそのお菓子の原型を手にすることができ、間違えればそのまま皿の上の物体を食べることになる。果たして。
ごどうが手に取ったのは今回の8皿の中で唯一、非・チョコ系統ということがはっきりしているお菓子である。
目視での審議の段階で、唯一ごどう・桐生の両者が正解を確信していたが、
ずばり「おっとっと」ですね。
◎ごどう、正解
無難に一周目をクリアしたごどう。同時に桐生の中で確信のあった3枚の手札が2枚に減った瞬間である。
そして正解したごどうには1000回振る前の「おっとっと」が贈呈。
「アポロ」ですね。
◎桐生、正解
桐生も一周目を難なくクリア。審議の段階では特に注視はしていなかったようだが、これがアポロだという確信はあったのだろう。
そう、何気ない目配りと発言が相手へのヒントになりかねない。ここでは雄弁は銀、沈黙は金なのである。
正解した桐生には「アポロ」が贈呈。
二週目
8 → 6 へ。
「麦チョコ」です。
◎ごどう、正解
もうこの時点でこれが麦チョコだと確信しましたね。完璧な推論だと思います。
正解したごどうは「麦チョコ」をゲット。
早口キレオタクから一転、童心に返るごどう。勝負をしていることを忘れる瞬間である。これが第一線級のお菓子の凄さだ。
そして続いて桐生の二周目。
これはよく見ると一粒一粒にくびれがあるので。
◎桐生、正解
正解した桐生は「きのこの山」をゲット。
二週目が終わり、互いに譲らず2勝ずつ。
三週目
6 → 4 へ
ひきつるごどう。
全くわからないごどうと、一つだけ正解がわかる桐生。
しかしごどうがその一つを引いてしまえば条件は同じである。
この勝負が始まる前の考察では確かにごどうは一番この球体に自信を持っていなかった。
勝負を重ねていく中で何かを掴んだのか。
元々のお菓子の一つ当たりが大きいものなんじゃないかと。
「カントリーマアム」のココア味ですね。
×ごどう、不正解
この球体の1000回振る前は、
「コアラのマーチ」であった。
ここにきて初めての失敗。なんとYouTube等で一番擦られたお菓子で不正解を出してしまう。ルールとして、ごどうはコアラのマーチを1000回振った後のものを食べなければならない。
こんなに不味くなるんだ。
※あくまで個人の見解です。
続いて桐生の三週目。唯一ほぼ正解だと自信のあるお菓子は残ったのか。
「たけのこの里」ですね。
◎桐生、正解
ザラザラ感が出てるんですよ、ここに。
悔しさを露わにするごどう。
ここまで3連勝の桐生と初めて差が開いた。
正解した桐生には「たけのこの里」がプレゼント。
そしてテーブルには死の2皿が残り、ラスト四週目へ。
四週目
4 → 2 へ
ねるねるねるね なんだよ。液状であることは確かだから。
「ねるねるねるね」です!!
◎ごどう、正解
正解したごどうは「ねるねるねるね」を獲得。
×桐生、不正解
こちらの1000回振る前は、
「パイの実」であった。
結果は、ごどうが3勝1敗。桐生も3勝1敗となった。
総括
余ったお菓子は全て美味しくいただきました。
完