じゃんけんで一番強い手を調べてみた




 

何かしらの勝敗や組み合わせを決めるための手法として、かねてよりじゃんけんは多用されてきた。

 

じゃんけんにはグー・チョキ・パーの3種類があり、グーはパーに負けるがチョキには勝ち、チョキはパーに勝てるがグーには負けるという、

いわゆる三すくみ状態において、勝敗を決める遊戯である。

 

例えば、かつて世界を沸かせた格闘家桜庭和志は、ブラジル人格闘家のヴァンダレイ・シウバ3度戦って1度も勝てなかった。

しかしそのヴァンダレイ・シウバは晩年、クイントン・ランペイジという選手に2度負けているのだが、そのランペイジに桜庭は勝利している。

 

つまりこの3人はじゃんけんのグー・チョキ・パーの状態にあるのである。

 

論点を戻すと、互いに勝てる相手勝てない相手を持つ3つの手で行うじゃんけんの勝敗は、基本的に運に左右されてしまうことが多い。

グーは石でチョキは鋏でパーは紙が元になっていると言うが、理論上は全ての手が同等に勝つ確率があるのである。

 

 

しかし、本当にそうだろうか?

モチーフも違えば伸びている指の本数も様々なグーチョキパー

実のところ、この手だけは他よりほんのちょっと強い、などの事情があるかもしれない。

 

 

 

今回はじゃんけんにおける3つの手の中で、

実はどれが一番強いのかを調査する運びとなった。

 

じゃんけんは一つの学問である。客観的事実に裏打ちされたデータに真剣に向き合い論考すれば、一番強い手が何なのかが自ずと見えてくるはずだ。

 

遡ればじゃんけんの起源は19世紀末にあると言う。

そこから数百年間、三すくみと言われ続けてきたグー・チョキ・パーの真相を、今宵解き明かそうではないか。

 

 

調査開始

まずはグー・チョキ・パーそれぞれが勝つ確率について、数学的な観点からおさらいしておこう。

 

それぞれ1/3、つまり33.3%の勝つ確率があることになる。

しかしこれは、グー・チョキ・パーの勝つ可能性が同様に確からしいと考えた時である。

 

では、「自分がグーを出した後相手がつられてパーを出すことを見越してチョキを出す」といったような、先読み戦法が使える可能性はどうだろう。

 

こちらも全て33.3%ずつある。これもグー・チョキ・パー全て同様に確からしいと言える。

 

なるほど。数学的な考察はこの辺りで限界ため、定性的な評価に切り替えよう。

というわけで、人々がどの手が一番強いと思っているのかについて、実際にアンケートをとることにした。

 

 

渋谷駅にてアンケート開始

今回は渋谷駅前にて、じゃんけんでどの手が一番強いと思うのかの聞き取り調査を実施する。

 

こちらのボードを引っさげ、グー・チョキ・パーの中でどれが一番強いかを老若男女100人に回答いただく。

この直接的な調査によって、じゃんけん最強の手が白日のもとに晒されるという寸法だ。

 

1組目は男女のカップル。

男性側がグーで、理由は「石だから」。女性がチョキで、理由は「勢いがある」とのことであった。

 

じゃんけんで最強の手の理由を聞く瞬間は、どんな人であれ少し頭が悪くなるようだ。

 

その後も様々な方々にご協力いただき、

 

9人に聞き終わったところでグーがややリードする結果となった。

だがまだまだ勝負はこれから。チョキとパーの追撃に期待したい。

 

70代男性は「チョキよりも強いから」という理由でグーを選んでくれた。

さすが亀の甲より年の功だ。ハサミをモチーフとしたチョキは三種の手の中で最も危険性が高く、そのチョキを抑える役割としてグーを高く評価されているのだ。

 

部活終わりの女子大学生はパーを選択してくれた。

理由は「今日の部活のチーム決めでパーで勝って良いチームに入れたから」という可愛らしい理由であった。ちなみに競技はハンドボールとのこと。

 

その後も渋谷駅前のあらゆる人にアンケートに協力していただき、

 

計100人へのアンケートが終了したので、ここで一旦聞き取り調査を終了した。

渋谷駅前の100人に聞いて、じゃんけんで一番強い手としてどの手が選ばれたのか。

 

これより、3位から順に発表していきたいと思う。

 

 

第3位

パー:25票

 

第3位は「パー」であった。

なるほど確かに紙である「パー」は、石の「グー」や鋏の「チョキ」に比べたらやや印象的な面で弱さは目立つが、今回は世論がそれに相応する結果となっった。

 

ちなみに「パー」が一番強いと思った人たちの理由が以下である。

 

・チョキが一番出されにくい(手を作りづらい)から、パーを出しておけば一番負けづらい(10代男性)

・みんな最初にグーを出しやすいから(20代女性)

・みんなグーを最初に出すから(40代男性)

・グーが弱そう(10代男性)

・パーに入れてる人が多いから(30代男性)

・指の本数が多いから(20代男性)

・全部を包み込むから(10代女性)

・これで負けなしだから。(40代男性)

・グーを出す人多いから(10代男性)

・人間ってグーを一番出したがるらしいです(20代男性)

・人間はいきなりじゃんけんを仕掛けるとグーを出すことが多いから(20代男性)

・聞いたことある話なんですけど、何も考えずにってなると人はやっぱりグーを出しやすいらしいです(20代男性)

・大きいから (20代男性)

・急いで出すとみんなグーを出しがち(60代)

 

「全部を包み込むから」「大きいから」という感覚的な理由も見られる中、ほとんどが相手が出す手がグーが多いと仮定した戦略的な理由であった。

 

「最初はグー」などで馴染んだゆえの出しやすさ、指が一本も立っていないゆえの空気抵抗の少なさなど、確かにグーを出してしまいがちな理由は枚挙にいとまがない

それを見越した一手として「パー」が有力であるという考えは大いに的を得ているだろう。

 

・全部を包み込むから(10代女性)

 

一方で、ハサミすらもパーで包み込もうとしている若い女性もいた。すべての相手を優しく包み込めると考える純粋な少女が、尖った危険な相手と相対したときにどうなるのか。

10年後の彼女の最強の手も、まだパーのままで変わらずにいることを祈りたい。

 

・指の本数が多いから(20代男性)

 

中にはじゃんけんのルール自体を知らない可能性のある方も。

いや、地方により指の数を攻撃力のように換算するじゃんけんが存在する可能性もある。

 

その中でパーは、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)的な存在なのかもしれない

 

 

第2位

チョキ:30票

 

第2位は「チョキ」であった。

 

・チョキで勝つことが多い(22歳女性)

・みんなグーを出しやすいという説の裏をかいて

・チョキを出しておけば勝ってた記憶がある(20代男性)

・パーが弱そう(20代男性)

・理由はない、直感(20代男性)

・勝負の瞬間緊張すると人は手を広げたくなるので、チョキかパーがくる、そこでチョキを出しておけば負けはしないから。(20代男性)

・あえて一番出しにくいチョキを(20代男性)

・今日まだグーとパーで勝ててないから(10代女性)

・最初にグーが出されやすく、グーに勝つのはパーと考えられやすいから。

・最初はグー、から普通の人は手を変えたくなるので、チョキかパーが出される。負けないのはチョキ。

・一緒にいた友達がこのアンケートにパーと答えたので(20代女性)

・見た目。刺さりそう。殺傷能力。(10代男性)

・いつもチョキで勝ってる気がするから(20代女性)

 

「チョキ」が選ばれた理由として、「最初にグーが出されがち」という予測を見越してのチョキという理由が多かった。

3位のパーが選ばれた理由としては、最初にみんなグーを出しがちと言う意見が多数であったが、チョキ派はさらにその一歩先を行っているようだ。

 

そんな裏の裏をかく勝負論の中には次のような本能的な理由もあり、

 

・見た目。刺さりそう。殺傷能力。(10代男性)

 

やはりじゃんけんと言えど、相手に隙を見せてはならないのだと痛感した瞬間でもあった。

 

 

第1位

グー:45票

 

じゃんけんで一番強い手と思われている第1位は、「グー」であった。

「グー」を選んだ人たちの理由が以下である。

 

・殴れるから(20代女性)

・相手が一番最初に出すのがチョキだと思ってるから

・力が込めやすいから(10代男性)

・自分がチョキを出すことが多いのだが、負けることが多いから(22歳女性)

・殴ったとき一番強いから(20代男性)

・映画でグーが一番強いって言う下りがあった(20代女性)

・学校で隣の人とじゃんけんするときいっつもグーで勝つ

・物理的に一番強そう(10代男性)

・映画『花束みたいな恋をした』で、「なぜ石は紙を破れないのか?」って聞いて、グーが一番だわって思って

・最初にパー出す人おらんくない?(20代女性)

・グーが好きだから(タトゥーの男)

 

3位パーと2位チョキと比べて、相手が出してくる手を予想した上での戦略というよりかは、 

 

・殴れるから(20代女性)

・物理的に一番強そう(10代男性)

 

のような直感的な理由が多く見られた。

パーやチョキのように裏の裏の、そのまた裏の読み合いのような理由が続くと思いきや、グーは主に直感的原理主義による一手であった。

 

結果的に、じゃんけんで一番強い手だと認識されている手「グー」となり、

 

 

 

ゆえに、じゃんけんで一番強い手は、

 

 

 

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パーとなった。

 

 

総括

いかがだっただろうか。

今回の調査内容や登場する様々な意見を聞いていると非常に頭が悪くなったような錯覚を覚えるが、あくまでも錯覚であり、非常に論理的な検証ができたように感じる。

 

じゃんけんは三すくみと言いながらも、どの手が一番繰り出されるかの志向性は必ずしも均等ではないはず。

今後じゃんけんが命運を分ける場面に面したとき、パーを出してみてはいかがだろうか。少しでも勝率を上げることができるかもしれない。

 

ちなみに本調査結果において、当サイトはそのいかなる責任の一切も負うことはない。