近年、多くの喫煙所が街からなくなり、タバコの値段も上がって喫煙者がますます端に追いやられている。
2020年4月には飲食店の原則屋内禁煙の法律も制定され、某IT企業の社長が「喫煙者は採用しない」と公言したことも話題となった。
確かに嗜好品ではあるもののタバコの副流煙による危険性には目を向けるべきであり、喫煙者と非喫煙者の空間が分断されるのは仕方のないことである。
しかし、ここで1つの解決策を提示したい。
肺活量を頑張って、一瞬でタバコを吸い終われば解決するのではないだろうか。
ちんたら吸ってるから副流煙なんぞがモクモク出るわけで、一瞬で豪快に吸い終わることで主流煙メインでの幕引きができないだろうか。
とは言え一瞬とはどのくらいを目指すべきか、ベンチマーク的な指標が必要ではある。
人の代わりに、
掃除機ならどのくらいで吸い終わるだろう。
吸引という行為の頂点に立つ掃除機であれば、タバコの一吸いの限界まで示してくれるだろう。それは必然的に、我々が目指す目標となるのだ。
ということで今回は掃除機でタバコを吸い、その記録を人間が目指す運びとなった。
掃除機は一体どのくらいの速さでタバコを吸い終わってくれるのだろう。
まばたき厳禁、スイッチを入れた次の瞬間、全てが灰になっているかもしれない。
検証開始
今回は充電を満タンにした掃除機と、マルボロソフトを用意した。
まずは上記写真のようにマルボロと掃除機をつなぐハブを作成し、マルボロを固定。
それを掃除機の先っぽに差し込んで固定すれば、
あっという間にヤニダイソンの完成である。
早速、掃除機でマルボロを吸ってみよう。
まずは掃除機からマルボロを取り出してそれに火を付ける。
すかさず掃除機にマルボロを戻し、
スイッチON!!
うねりを上げた掃除機による喫煙が始まった。
期待していたよりはスロースタートだ。一丁前に出してる音に比べて、巻紙が捲れてこない。
しかし、少しすると段々と勢いがついてきた。
タバコにもなくなるのが早い部分とそうでない部分があるのだろうか。このまま好記録に期待したい!
半分を過ぎ時計は25秒を回った。30秒以内の壁は厳しくなったが、このまま行けばなかなかの好タイムをマークできる。
掃除機よ頑張れ。これは己との戦いだ。
煙を吸いこむと同時に吐き出し続けるハードボイルドの極地へと至った掃除機のラストスパート。
弱音を吐くなら煙を吐けと、言わんばかりの飽くなき執念。間も無くゴールである。
そして…
固唾を飲んで見守るスタッフも気持ちが高揚し、NERVのオペレーターばりの声を出す。
掃除機による、一本のタバコの喫煙が終わった。
果たして、その記録は。
33.11秒だった。
1本のタバコを5〜10分で吸い終わる人間と比べ、掃除機はかなりのスピードでタバコを吸い終えられることがわかった。
しかし、この前人未到のタイムに通常の人間が太刀打ちできるはずもなく、人間側も極限的な状況に追い込まねばならないことは想像にかたくない。
それでは人間が肺に放り込める瞬間最大煙量は、どんな状態だとベストスコアを叩き出すのか。我々は一つの仮説を元に、次の検証へと移った。
息継ぎの瞬間にタバコを吸ってみた
肺活量に関係なく、人が息を吸うことに集中する瞬間にタバコを吸えば、その分、煙も吸い込めるはずだ。
そしてその瞬間とは、水泳の息継ぎの瞬間に他ならない。
学校の水泳の授業を思い出してみよう。あの息継ぎの瞬間の必死な形相。生きようとして空気を求めるあの瞬間。
あの瞬間こそ、人は本当に最大の煙量を吸い込めるはずだ。
そして今回は次の人物に息継ぎの瞬間にタバコを吸ってもらう。
ごどう…当サイトの企画スタッフ。中高6年間は柔道部に所属し、体力には自信あり。あわせて喫煙家であり、1日一箱タバコを吸って中高6年間育んだ肉体を台無しにしている。
実際にプールでタバコを吸ってタバコの火よりも炎上するわけにはいかないため、今回ごどうにはボールに溜めた水をプールと想定して顔をつけ、クロールを実演してもらう。
30秒ほど泳いだところで息継ぎをしてもらい、その瞬間に火がついた状態のタバコを渡すという流れだ。
水泳に心得のある小慣れた人の息継ぎではなく、泳ぎに不慣れな人が見せるあの必死な息継ぎこそが吸引力が最大化する瞬間であるからだ。
それでは早速開始しよう。
勢いよくプールに飛び込みクロールに入ったごどう。
後から聞いた話によると、泳ぐのは高校の体育の授業以来だという。
素晴らしい腕の振りをしている。今20mくらい進んだだろうか。
成人男性が自室でクロールする光景を、我々は人生で初めてカメラに捉えた。
そして…
ブハッ!!
ごどうが水から顔を上げ、息継ぎをするその瞬間にタバコをくわえた。
(※当スタッフは特殊な訓練を受けて検証に臨んでいます。危険なので絶対に真似をしないでください。)
人は息継ぎの瞬間にタバコを吸うと、どれだけの煙を吸い込めるのだろうか。
結果は……
通常時よりも吸えなかった。
あのさぁ、本当にさぁ..
この後、呼吸を整えながらタバコを吸い続けて、吸い終わるまでトータルで2分52秒を要した。
結論として、本検証より以下の事実が確認できた。
・人は掃除機には勝てない
・掃除機の喫煙は尻上がり
・タバコは何もしていないときに吸うのが一番
・成人男性のクロールを間近で見ると引く
もしみなさんもタバコに火をつけてしまったけれど、早めに吸い終わらなきゃいけないというときには、
掃除機でギュンと吸ってみてください。
完