皆さんは『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品をご存知だろうか。
ワガママ娘な女子高生・涼宮ハルヒを中心に物語が進んでいく、ありそうでない学園生活を描いた作品である。ライトノベルが原作であるが、アニメ化や映画化も果たしている。
(『涼宮ハルヒの憂鬱』イメージ図)
2003年6月に刊行された初巻はなんと1年間で10万部を超え、アニメは深夜枠で短期間にも関わらず大ヒット。全世界での文庫・漫画の累計発行部数が2000万部を超えるなど、空前のハルヒブームで世を沸かせた作品である。
そしてこの『涼宮ハルヒの憂鬱』は1巻、2巻というラベリングではなく「涼宮ハルヒの〇〇」という表現によって後続作品が刊行されているのも特徴の一つだ。
〇〇の部分には溜息や動揺などの二字熟語が入る。
また、これを受けて『涼宮ハルヒの〇〇』という名称に則った多くの派生作品や二次創作なども生み出されてきた。
特にネット上では二次創作などが数多く発表されているため、涼宮ハルヒの〇〇 のバリエーションは、より多岐にわたることになる。
例えば。
ここで「涼宮ハルヒの快楽」などと、適当な熟語を当てはめてみる。
本来このような公式作品は存在しないはずだが、Googleで検索してみると
エロ同人が引っかかるのだ。
角度を変えて「涼宮ハルヒの蒼氓」などと当てはめてみる。蒼氓(そうぼう)とは石川達三の小説の題であり、山下達郎の代表曲としても知られる。
民(たみ)や人民といった意味合いの、この小難しく含蓄のある単語。流石にそんなハルヒが存在するわけがないと思いつつ、Googleで検索してみると
SS(二次創作)が引っかかるのだ。
涼宮ハルヒは、我々の想像以上に様々な二字熟語を網羅しているのである。果たしてこのハルヒの網羅性はどれほどまでに高いのか。
そこで我々は本作品の影響力を改めて調査する良い機会と判断し、「涼宮ハルヒのoo」でGoogle検索をおこない
最も結果がヒットしない二字熟語は何なのか
を調べることにした。
逆説的ではあるが、検索結果を何件まで落とせるかについて調べ抜くことで、涼宮ハルヒのネット上での影響力を推し量っていく。
調査開始
今回の調査は単純である。
「涼宮ハルヒの〇〇」にひたすら二字熟語を入れて検索していけば良いのだ。
まずは手始めに涼宮ハルヒシリーズとは真逆の印象の熟語で検索をかけていく。あわよくばこれで検証が終わりかねない、ストレートに近い強めのジャブだ。
「涼宮ハルヒの溶接」
検索結果: 66,500件
まさかの万単位でヒットした。が、これは序の口の検索である。
なるほど。比較的工業高校の出にアニメオタクは多いと聞く。自らの出自とハルヒを重ねて、溶接作業をさせたくなるのも一興ということだろう。
それでは気を取り直して
「涼宮ハルヒの乾物」
検索結果: 31,600件
なるほど。直接的な字面のヒットこそないものの、同じくアニメキャラである干物娘うまるちゃんが乾物としてヒットしたようだ。
いささかGoogleの判定のドライさが見え隠れするが、少なくとも話題がリンクするような単語はNGということだろう。さて、気を取り直して
「涼宮ハルヒの肋骨」
検索結果: 50,400件
なんでだ。
よくよく見ると、“肋骨”様という方がメルカリでハルヒの商品を売りに出されていた。しかも2件目には中国語のページが表示されている。そうだ。『涼宮ハルヒの憂鬱』は全世界で評価されている作品だった。
当初思い描いていたよりも、はるかに難易度の高い試練のようだ。
改めて我々は、涼宮ハルヒの奥深さを知る。乾物から溶接まで、第一次〜第二次産業を股にかけてカバーしている。
ハルヒのポテンシャルに感嘆しつつ、数多くの検索を試行する中で、我々はおぼろげながらいくつかの法則にたどり着いた。
⑴ 性的な単語だとヒットする(エロ同人誌・HなSS)
例. 涼宮ハルヒの快楽、涼宮ハルヒの絶頂
⑵創作作品的な単語だとヒットする(二次創作小説・周辺のアニメの話題)
例. 涼宮ハルヒの魔術、涼宮ハルヒの時空
⑶ギャップの強すぎる単語でもヒットする(ぶっ飛んだ二次創作や、ネタツイートなど)
例. 涼宮ハルヒの拷問、涼宮ハルヒの損切
どうやらヒットしやすい種類の語句が存在するようだ。
これらを避けて、引き続き検索を進める。
そしてついに我々は、
待望の10件以内にまで到達した。
いよいよ検索結果〇〇件以下まで!