レンタル話し相手スタンプを作ろう




 

超長いです。

はじめに

レンタル話し相手という人物がいます。

※「YouTuberのヒカルは人格的に自分より劣っているので、自分は必ず成功するはず」という旨のツイート。

プロフィール
本名:くぼたかし。東京都出身26歳男性。自らの教えを世界に広めることを通じての「世界平和」を目標に掲げ、その第一段階としての小説の執筆やTwitterでの活動を通じたネームバリュー獲得を目指し活動するも、8/10現在フォロワー数1,313人。一方、勢いで誰にでも凸するフットワークの軽さから注目を集め、ちゆ12歳、朧、えらいてんちょうなどのインターネットの暗黒卿たちからの寵愛を受けることで、現在のフォロワー数1,313人。また、その名に冠する通り、自らを「話し相手」として貸し出し、依頼主の悩みを解決する「レンタル話し相手」としての活動を2019年より開始し、現在フォロワー数1,313人の無職。ちなみに最近は「レンタル話し相手」としての活動をほとんど行っていないにも関わらず、実態の無い職業を名前として掲げ続けるという「無」の身体表現を極めつつあります。

個人的には、2020年7月頃に初めてその存在を認識し「なかなかヤバいやつが出てきたな」と思いながら、ちょいちょい本人ともコミュニケーションを取っていくなかで、その「ヤバさ」の本質についてそれなりに理解できるようになってきた感じです。ちなみにこの2年ほどは「Twitterでバズってインフルエンサーになる」ということを目標に活動を続けているみたいですが、少なくとも俺が見てる1年間では50人くらいしかフォロワーは増えておらず、直近数ヶ月に至っては減少傾向にすらあります。

彼の具体的な「ヤバさ」については暗黒卿達によるまとめが大量に存在していますので、そちらをご参照ください。

ちゆ12歳:セフレを10万人作る予定の童貞の主張(レンタル話し相手、かく語りき)

めんたねさん:すごい奴がやってきた!レンタル話し相手登場

朧さん:インフルエンサーになりたがる馬鹿

えらいてんちょうさん:レン話とつちやみ評※有料記事

堀元見さん:インターネットにいる「ほんとうの地獄」を紹介していく(5-1)-頭が悪いラスコーリニコフ※有料記事

あと、本人による記述も読んでおくと人物に対する理解は深まると思います。

本人ブログ:レンタル話し相手としてのこれまでの反省と新しい方針(雑記)

自称:ズバ抜けた論理的思考力を持つ男の論理展開

簡単にまとめると「学習能力と現実検討能力が異様に低く、妄想と現実の境目の無い話を延々と、しかも流暢に語ることができるタイプの狂人」で、上記のような破滅的な論理展開に加えて、曖昧な自他境界から繰り出される価値観の押し付けを駆使して、これまで多くの大人たちの神経を逆撫でし、絶句させてきた人物です。

個人的な印象としては、木の枝と葉っぱで家のような『何か』を作って「さあ!みんな遊びに来てください!なんなら住んでください!絶対に幸せになれます!」と豪語している人というイメージで、それだけならまだしも「屋根も壁もあるから十分に『家』と呼べるのに、なんでみんな住んでくれないの?!バカなんじゃないの?!」とキレて周囲に悪態をつくというムーブまでが一連の行動パターンとなっており、そうやって不用意な発言をして袋叩きに遭うということを繰り返している人物です。

ちなみに、これまで何度も優しい暗黒卿たちが「その家は君にとっては『家』と呼べるかもしれないけど、他の人は『家』と呼ばないんだよ」と教えてあげてるんですが、ほぼ「その認識は間違っています!その誤解を解きます!」というガチ狂人ムーブが発動し、大体そのへんで「あっ、コイツ会話成り立たないな」と匙を投げられている感じです。

更にリアル知人からの証言※を聞く限りは学生時代から今までの実生活においてもほぼほぼそんな感じだったらしく、紛うことなき「狂人」としての人生を歩んできた「ホンモノの中のホンモノ」です。

学生時代から上記のようなムーブを繰り返した結果「リアル知人からもネットウォッチャーと同様の距離感で生暖かく見守られている」という特殊な関係性が構築されており、そのリアル知人も稀に配信等に登場しては、上述のような流れを経て彼の謎理論をボコボコにしたり、「やっぱコイツ無理だな」と再び距離を置くという関わり方をしています。

とはいえ、本人と直接コミュニケーションを取ってみると「世界平和できる※大きな度量を持った人物」という理想像と「狭量で卑屈な等身大の自分」という現実の間で葛藤に揉まれる悩み多き青年であることが見えてきますし、そうした自己像の理想と現実に挟まれた葛藤自体は誰しもが持ち得るものだとは思います。※彼にとって「世界平和」は自動詞らしいです。

また、「世界平和する人物たるもの~~~すべき」といった他人には理解し難い様々な義務感で自縄自縛になった結果、大言壮語だけを撒き散らして実際のアクションを起こせなかったりするのも、生育環境において自尊感情がスムーズに獲得できなかった人によくあるケースではあるので、「大変だよね~」という気持ちにはなります。

そして、先に挙げた「学習能力と現実検討能力の異様な低さ」というのも、それらの葛藤や義務感を無理矢理正当化しようとした結果、ヤバい言動としてアウトプットされていたり、ヒーローになり得ない現実の自己像に対する失望感の反動として無謀な言動で衆目を集めるという体癖がついてしまっているだけだと思います。この辺りに関しても「大変だよね~」以外に言えることは無いですし、彼自身もそういった自分自身の体癖については自覚的な部分が大いにあるので「人間って難しいよね~」と思います。

声優の野沢雅子さん(左)

ちなみに、彼からこれらの要素を取り除いたことを想定してみると、純粋に「社会経験の少なさ」が際立つ人物になるのかなと思います。イメージとしては「家賃収入だけで十分食える環境に育った純粋なおばあさん」が一番近く、明らかにパチモンのマリオのアプリゲームを「マリオ」と言い張ったり、アイデンティティ田島と野沢雅子の区別がついていないままYouTubeを見て「野沢雅子さんは高齢なのに頭の回転が早く面白い」と激賞したりと、かなりババアよりの感性を持っています。ちなみにカジサックの動画を見てそう思ったらしいですが、思いっきり「アイデンティティ田島」って書いてあるし、動画内やコメント欄でも明言されているにも関わらず「野沢雅子」だと思っていたそうで、目の前の物事に対する解像度が初期ファミコンのドット絵くらいなんだと思います。その他にも「寿司と刺し身の区別が若干怪しい」など、ネイティブジャパニーズ※としては信じがたいような部分も散見され、「コイツ今までどうやって生きてきたんだ?」というフリーキーな知的好奇心をくすぐる要素が満載です。

彼はバングラデシュと日本のハーフですが、完全に日本生まれ日本育ちです。

ただ、彼には上記のような暗黒卿からの寵愛を受けるだけの「タレント性」が確かに存在していて、それは「(支離滅裂な内容だが)一人でもマシンガントークを続ける能力」や「(論理展開は強烈に歪んでいるが)読みやすい文章を書き上げる能力」といった無駄に高い言語化能力と、何事にも深刻さを感じさせないコミカルさというインターネット芸人向きのスキルセットに支えられていると思っています。また、リアル知人から距離を取られつつも、なんだかんだ完全には見放されてない(とはいえ首の皮一枚だと思いますが)様子を見ている限り、「愛嬌の良さ」を武器にサバイヴしてきたタイプなんじゃないかなと思いますが、それも若者であるうちの特権であり、悲しいかな現代社会は「愛嬌だけが良い狂人のおっさん」に相当厳しい目を向けるので、結局どこかで自分なりに「大人」としての居場所を社会の中で確立する必要があるかと思います。

今回のプロジェクトはそんな彼の全面協力の元、彼自身をテーマにしたLINEスタンプを作成することで、インターネット芸人としての「レンタル話し相手」をより多くの方々に知っていただき、このままでは世界平和どころか高確率で一人のタックスイーターとして生涯を終えるであろう彼が自活できる道を模索し、日本国の税収向上に寄与することを目的として開始いたしました。

 

時系列

6/8 マジスカスクエアガーデン様よりじゃじゃまるに寄稿依頼。レンタル話し相手に連絡。
6/9 レンタル話し相手より返答あり。企画概要を説明した上で了承を得る。
6/14 レンタル話し相手よりLINEスタンプ文言案が提出される。
6/16 スタンプ案の選出。
6/17 選出されたスタンプ案を元に撮影してほしい素材案の提出。
6/29 めんたねさんの事務所にて撮影会の実施。ツイキャス:レン話スタンプ撮影配信
6/30 スタンプ用写真選定。 ツイキャス:レン話スタンプ写真選定
7/14 スタンプ初稿完成。
7/22 審査提出。
7/23 リジェクト(1回目)。
7/26 リジェクト(2回目)。
7/29 審査通過。販売開始。

 

1.スタンプ作り開始

マジスカスクエアガーデンの運営の方からお声がけいただき、Twitterアカウントを見てみたら知り合いのフォロワーに「レンタル話し相手」がいたので「このサイト知ってる?」って聞いたら既読スルーされました。彼は意図的既読スルー常習犯なので、普段なら気にしないんですが、今回はそこの話が進まないと先に進まないので、後日彼がツイキャス配信をしているときにコメント欄にて「DMみといてー」と催促したら返ってきた返事がこれです。

「知らない」

レンタル話し相手はフォローしてるのに何故かシラを切る男です。

「いいですね!」

レンタル話し相手は自分に実利がありそうだと判断すると途端に乗り気になる男です。

そんな感じで「レンタル話し相手スタンプ作り」はスタートしました。

 

2.アイデアを出そう

どんなスタンプを作るのが良いか、一旦はそれぞれでアイデア出しをしようということになりましたが、協力者含めて大体200個くらいの案が出てきました。ちなみに本人からは86個出てきましたが、彼は「自分の発言内容をやたら詳細に覚えている」という特殊能力を持っており、量/質ともに「本人案だけで十分いけるんじゃないか」というくらいのアイデアが出されました。

初期スタンプ案

本人案(ごく一部)

ちなみに、彼は日常的に「Twitterで自分の過去の発言を見直す」や「友達との楽しかったやり取りを脳内で再生する」ということをしているらしいですが、そうやってセルフエコーチェンバーを繰り返すことで現在の「ヤバさ」が醸成されていったのかなとか思いました。

 

3.スタンプ案を選ぼう

ウォッチャーの皆さんのお力を借りてスタンプにするセリフのアイデアが一定出揃ったので、「どれをスタンプにしていくか」を検討します。

その選定会議の場での一言。

「結構センスある人少なかったですよね」

レンタル話し相手はせっかく協力してくれた人達に対して、こういう失礼な発言を平気でする男です。

ただ、これに関しては客観的に見ても、本人案のクオリティ(汎用性&異常性)が群を抜いて高かったです。基本的には「こういうこと言いそう(っていうか実際に言ってた)」を基準にして選定を進めたので、前述の通り自分の発言を日常的に反芻している彼以上にリアルな発言はなかなか出てこないというのは当然っちゃ当然なんですが、「自分の奇行をどこか他人目線で見ている」というのは彼の特徴の一つで、ある意味「レンタル話し相手の最大のファンであるレンタル話し相手がレンタル話し相手のステージを特等席で見て賛辞を送っている」という極めてハッピーな構図が心の中に構築されているのが彼の「強さ」の秘訣だと思います。

ちなみに、このスタンプ案を選ぶための打ち合わせに20分くらい遅刻したんですが、「常識が無い」「時間の読みが甘い」的な感じでバチギレされました。レンタル話し相手はこれ系の「自分に非が無いことが明らかで、一方的に相手を詰められる場面」が大好きで、この時もそれまでは「お腹が痛い」と苦悶の表情を浮かべていたにも関わらず、バチギレ後はとてもスッキリした表情で終始上機嫌でした。そういう男です。

 

4.写真を撮ろう

写真撮影に際しては、めんたねさんとそのご友人たちの協力を得て、かなりちゃんとした素材が600枚ほど上がってきました。撮影の様子

高価な機材でガッツリ撮影

なお、この撮影に際しては事前に「透過しやすいように無地の白T(もしくはそれに準ずるもの)」というオーダーを出していますが、これについて後ほど問題になりますので、ご留意いただけると幸いです。

 

5.写真を選ぼう

合計600枚くらいの写真が上がってきたんですが「無地の白Tが無かった」という理由で、たまたま下に着ていた肌着での撮影となりました。

初期アバター

で、これに対して本人は「後から合成で服を着せてもらえる」と思っていたらしく、「肌着って下着じゃないですか!そんなの恥ずかしいから嫌ですよ!」とここに来て狼狽していましたが、個人的には彼が配信のときに着ている服も「肌着じゃねえか」と思っているので、「これが恥ずかしい格好なら君はずっと恥ずかしい格好で配信しているのでは?」と不思議に思いました。

限りなく肌着に近い服

「ちゃんと色合いとか調整するから大丈夫」「逆に初期アバター的なものと考えて、これからどんどん服を着ていく感じでステップアップしていこう」等の説得を経て、なんとかOKを貰ったんですが、意図せず「ちゃんと加工して(肌着に)見えないようにするから」っていう良くないAVの撮影現場みたいな会話をしてしまったことで、よくわかりませんが少し心が痛みました。

 

6.スタンプを作ろう

私もLINEスタンプを作るのは初めてだったので、作りながら逐一確認してもらって進めていたのですが、作ったものに対して結構具体的かつ的確に「こうしてほしい」という要望を出してくれるので大変やりやすかったです。

ちなみに「膨大なやりとり」の文字数をカウントしてみましたが、彼からのオーダーだけで12,848文字ありました。つまり相当細かい部分まで修正指示が入っているということなんですが、どういう粒度で修正依頼が来ていたかの一例を挙げるとこんな感じです。

髪ボコ修正よろ

こういう感じの細かい修正に加えて「もっと違うテイストにしてみたい」という要望も結構あったので、一回自分で作ってみることを提案してみたら、結構ノリノリで複数パターン作ってくれました。決定稿にも彼自身が作ったやつが結構含まれていますので、彼自身の「こだわり」を感じていただければ幸いです。

次のページでは、完成したスタンプを紹介いたします。