完全な初対面で二人羽織をやると、どのくらいぎこちないのか




 

二人羽織といえば1つの羽織を2人で纏い、視界を遮られ腕だけを動かせる後ろ側と、視覚が生きており口頭で指示を出す前側の連携プレーを楽しむ遊びである。

 

特に「後方の人間が前方の人間の口に料理を運ぶ」というミッションが多く見られており、その料理も熱々おでんのような、連携を誤るとそれなりのリスクを伴うものが扱われる。

 

ここで肝となるのが、前方役と後方役がまるで1人の人間のように振る舞えるまでの身体的な連携である。

そしてその状態を実現するためには、プレイヤー同士の信頼関係が前提になることは言うまでもないだろう。

 

 

もしも完全に初対面同士の人間で二人羽織をやるとなれば、

連携はうまくいかず、ぎこちない結果になるのだろうか。

 

信頼関係もクソもない初対面の状態であれば、指示ひとつ取っても躊躇してしまい、連携どころではないだろう。

しかしそこを大の大人が2人挑戦を続ければ、心の距離とはウラハラに身体はシンクロし、意外や意外な仕上がりを見せるかもしれない。

 

ということで今回は、完全な初対面で二人羽織をやると、どのくらいぎこちないのかについて検証する運びとなった。

 

これは成人男性2人の二人羽織を通じた心の交流を記す、ドキュメンタリー企画である。

 

検証方法

今回の検証には次の人物に参加してもらう。

 

長谷川…当サイト管理人・ぴろぴろの知人のアラサー会社員。ぴろぴろとはそれなりに仲が良いものの、当サイトについてはあまり信用していない。

野上…ラジオ局でディレクターをやっているアラサー会社員。多忙が祟りあまり睡眠時間がとれておらず、精神状態は決して良くない。

ぴろぴろ…当サイトの管理人。2人のことをとても信用している。

 

今回、長谷川と野上には事前に「二人羽織に挑戦してもらう」とだけ伝え都内某所に呼び出した。

 

二人は過去に関わったことが一切なく、今日この場が完全な初対面である。

その状態で、二人には今回いきなり「二人羽織で熱々おでん」に挑戦してもらう。

 

うまく連携が取れないと火傷などの事故にも繋がるこの状況下で、二人に信頼関係は芽生えるのだろうか。

早速みていこう。

 

検証開始

長谷川
あ、今日はよろしくお願いします。

野上
あ、こちらこそ。よろしくお願いします。はは。

 

野上
あ、あの〜…普段は何されてるんですか。

長谷川
普段すか、そうすね。

 

長谷川
普通の会社員っすね。Web系の会社で働いてます。

野上
あ、そうなんですね。自分も会社員で、普段はずっと働いてて。

長谷川
おぉ。野上さんは何系のお仕事なんですか?

 

野上
自分一応ラジオ局でディレクターやってて。

長谷川
すごいっすね。ディレクターって。

野上
いやいや、全く。

ラジオとか普段聴きます?

 

長谷川
ラジオは、すみません。あまり聴かないっすね…

 

野上
….あ、そうでしたか。すみません。

長谷川
アッ…全然こっちこそすみません…

 

野上
あー、てか、あれですね。もしかしたら年齢とか近かったりするんですかね。

長谷川
確かに。僕が1993年生まれなんですけど。

野上
えっ、あっ。まじすか!?

 

野上
自分も93年です!この前の4月で30歳になって。

長谷川
おお、ほんとですか!

野上
え、ってことはまさかの同い年!?

 

長谷川
あ、でもあれっすね。

 

長谷川
自分早生まれなんで。93年の1月なんですよ。

野上
おお….なるほど…

 

野上
一個上っすねえ。。

長谷川
あっ…なんか全然…いいっすよタメ口とかでも。

ぴろぴろ
それでは顔合わせも済んだところで、そろそろ開始するので準備をお願いします!

 

初対面の二人によるアイスブレイクは、若干ブレイクしきる前に終了。

早速二人羽織に挑戦してもらう。

 

二人羽織で熱々おでんスタート

ブーーン

ぴろぴろ
まずはおでんを熱々にします。

 

長谷川
熱い・・っすね。パパッと終わらせましょう。

野上
持つ側も大変ですねこれ。頑張りましょう。

長谷川
何からいきますか?

 

野上
じゃあ、取りやすそうなちくわからいきましょう。

長谷川
了解です。どこら辺すかね。

野上
位置的には容器の中央で…

 

野上
もうちょい右、右です。

長谷川
右ですね。

 

長谷川
右ですね。あ、これっすか?今掴んでるやつですかね?

野上
お、いい感じす!そのまま上に持っていってくれれば、食えます。

 

長谷川
よっと。

ぴろぴろ
おお、結構すんなりと。

野上
そのままゆっくり、ゆーっくりと上に・・

 

野上
っ…ちょっと…

長谷川
あれ、ぶつかりました?もっとです?

 

ピトォ..

 

野上
あ”ッつ!!アついってェ!

 

長谷川
ん゛?

 

野上
いや、あの……鼻なんで、高さもう少し下の位置でお願いしますね。

長谷川
ああ、すみません。もうちょい下ですね。

 

 

長谷川
入った、入ってますか??

野上
おほぉー、あふい、あふい!入ってます!

入りすぎ!!手前引いて!!

長谷川
難しいな…

 

長谷川
縦と横どちらも意識しないといけないんすね、これは。。

野上
容器容器!!斜めになってる!!

長谷川
え?

 

ビチャチャッ…!

野上
ガっ…..!

 

野上
あついいっ!!

長谷川
うわっ、今汁溢れました??汁溢れてます??

ぴろぴろ
阿鼻叫喚ですね。

 

野上
う〜〜〜、はぁ〜〜〜…

長谷川
すみません…

野上
集中していきましょう・・

 

長谷川
次はどれにしましょうか。

野上
うーむ。じゃあ、今、ちょうど箸で掴みかけてる厚揚げでいきましょう。それ、そのまま掴んで上に上げてください。

長谷川
お、これっすね。

 

野上
そうそう、そのままそのまま。

ふー、ふー。

長谷川
ふーふー終わったら言ってください。

野上
よし、ではゆっくり手前に引きながら上にお願いします

 

野上
んあむっ

長谷川
お、噛んでますね。いい感じじゃないですかこれ。

野上
んぐっ。んむっ。

 

野上
んふーっ。。

長谷川
よし、終わったっぽいですね。

ぴろぴろ
厚揚げ完食です。いい調子ですよ。

 

長谷川
では次は、っと。

野上
じゃあその肉団子いこう。今ちょうど箸が当たってるやつ。

長谷川
これ肉団子なんすね?下から挟みます。

あ、ちょっと待って。容器持ち変えさせてください。

野上
OK。

 

長谷川
よっと。

 

長谷川
あ”っつ!!

野上
ん?

 

トポポ…

野上
あっつァ!!!

 

野上
長谷川ぁあ!!さん!!どうしたァ!!!

長谷川
すみません、指が汁に….!

野上
あぁぁなるほど…!うう……

ぴろぴろ
嫌な画が続きますね。

 

長谷川
すません、ちょっと休憩。させてください。。。この体制きつくて…….

ぴろぴろ
一旦休憩しましょう。

 

長谷川
ぷはぁーっ・・・

 

野上
疲れるな……

 

休憩

長谷川
結構難しいですね。箸で掴むのとかはいけるんですけど、その後の動作がなかなか。

野上
そうですね。。

 

野上
ちくわとか、汁とか、マジで熱かったな….

結構二人羽織って、前の人が損っすよね。

長谷川
……..いやぁまぁ

 

長谷川
こっちも指とか熱かったですけどね。見えない状態で熱い器持ってるんで、それは。

野上
ん、まあそうか。そうすね

長谷川
あとずっと酸欠になりそうでしたし。体制的には後ろの方がキツいんじゃないかな。

 

野上
ん〜、体制キツいのは前も同じじゃないすか?

長谷川
…そうすか?

 

野上
まぁ別に…あれですけど。

長谷川
………なんか、

おでんで好きな具とかあるんですか?

 

野上
大根、とか?

長谷川
なるほど。でもあれっすね、大根からいかなかったっすね。

野上
いや、おでんを楽しむ状況じゃないっしょ笑

 

長谷川
あぁ…まぁね…。

 

野上
……長谷川さんは、おでんの具で好きなのは。

長谷川
…卵っすかね。

ぴろぴろ
はい!ではそろそろ2ターン目いきましょう!

今度は前方役と後方役を入れ替えてやってみましょう。

 

1ターン目ではトラブルはあったものの、いくつかの具をうまく口に運び食べることに成功した二人。

続いては前後を入れ替えて後半戦に突入する。

 

なかなかのぎこちなさはあったものの、休憩も挟み最初よりも心が通い合いつつあるとも言えるかもしれない。

もはや初対面ではなくなった彼らの、奇跡の共闘が見られるかもしれない。