70歳のおじいちゃんが『To Loveる』を読んだらどのキャラに一番ハマるのか




第3位

荻野さん
でもこれだけの人数の女の子を登場させて、一応ちゃんとキャラを描きわけてるのがすごいなと思ったよ

ぴろぴろ
確かに。普通はこんな人数ヒロインになりませんもんね。

 

荻野さん
作画と脚本が分かれてるのが大きいのかもね。じゃないと18巻も続かなかったと思う

ぴろぴろ
なるほど。では荻野さんの『ToLOVEる』の好きなキャラベスト3、まずは第3位から教えてください。

荻野さん
うーん、そうね。これは悩んだんだけど、

 

 

荻野さん
3位はね、美柑ちゃん

ぴろぴろ
おぉぉ!

お気に入りだと思ってたのですが、この位置ですか。

荻野さん
そうね

 

荻野さん
何というか、お兄ちゃん(リト)がああいうお兄ちゃんだから、しっかりしてるんだよね。

それにくわえてあの一家でお母ちゃんとお父ちゃんも変な人だったでしょ?

そんな中でね、すっごくしっかりしてるんだよ、美柑ちゃん。

ぴろぴろ
なんかそれだけ聞くとすごい業の深い感じがしますね。

 

荻野さん
そんであの感じでまだ小学6年生っていうのがね、いいでしょ。

ぴろぴろ
それは荻野さんの好みですか。

荻野さん
いやいや、上手く描けてるなって。

 

荻野さん
とてもしっかりしてて、大人びた考えを持っていて、

でも小学6年生。

ぴろぴろ
小学6年生は分かりましたって。

 

荻野さん
最初はリトくんに世話を焼いてるイメージが強かったんだけど、

深層心理ではお兄ちゃんのことが大好きな気持ちが所々で垣間見える感じもねえ、

見れるよね。ずっと

ぴろぴろ
なんですかネッチョリして。

荻野さん
とにかく、巻を追うごとに成長していく姿も描かれていて、見守ってあげたくなる感じだったんだよ

ぴろぴろ
なるほど、そういうほっこりした目線ですね。

すみません。勝手にスケベで解釈してしまい。

 

荻野氏の第3位は、意外にも本作を読んでいるあいだ一番言及の多かった美柑がランクイン。

しかしながら人生の大先輩がゆえの、温かみあふれる理由の選出となった。

 

この先の1、2位は、一体どんなキャラが荻野氏の口から飛び出すのだろうか。

 

第2位

荻野さん
2位は古手川唯ちゃんと金色の闇さんかな。

ぴろぴろ
ドスケベじゃないですか。

荻野さん
誰選んでもドスケベでしょうよこの漫画。

 

ぴろぴろ
すみません、急に出てきた二人だったので。あまり言及してなかった気が

荻野さん
まあ、この二人も話の中でだんだん好きになっていった感じだからね

ぴろぴろ
同率2位ということで、それぞれ理由をお聞かせいただけますか?

荻野さん
金色の闇さんはね、登場した時はすごいクールな感じだったけど、

最後の方にいくに連れて、段々柔らかくなっていく感じがね、

 

荻野さん
あんな見た目でハレンチなことはNGなところも、ギャップがね、

なんか、いいよね。

ぴろぴろ
今日イチのやらしい顔が出ましたよ。

あの頃の僕らと、同じ顔です。

 

荻野さん
もう一人、古手川唯ちゃんはね、すごくタイプというか、それだけじゃないんだけど。

ぴろぴろ
古手川もかなり人気のあるキャラですね。

 

荻野さん
まぁ金色の闇さんもそうなんだけど、すごい堅物が、こう段々と人間らしくなっていくというか、そういうところが良いなと思って。

ぴろぴろ
ツンデレの本質ですね。

 

荻野さん
やっぱり人間ってそんなに単純じゃないっていうか。

一面だけじゃなくて、色んな面があって。たぶん自分が求めている自分と人が求めている自分が違ってて…

ぴろぴろ
おぉ。

 

荻野さん
その辺が古手川唯ちゃんとか金色の闇ちゃんは、すごく上手く描けてるなって思った。

ぴろぴろ
なんだか真面目な考察に聞こえてきました。

 

荻野さん
真面目に言ってるのよずっと。

キャラの魅力ってのは、なにもスケベだけじゃないからね。

ぴろぴろ
いやはや、おみそれいたしました。

 

ここまで荻野氏の第3位、2位までが発表された。

人生において多くの物語に触れた荻野氏だからこそ語ることのできる、キャラクターの立体的な考察であった。

 

それでは御年72歳、荻野氏の『ToLOVEる』全18巻で一番好きなキャラは果たして。

 

第1位

荻野さん
1位はね、保健室の先生。

ぴろぴろ
やっぱりドスケベじゃないですか。

 

To LOVEる―とらぶる― カラー版 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

※御門涼子…主人公・リトたちが通う彩南高校の養護教諭。

 

ぴろぴろ
一応、理由をお聞きしても良いですか?

荻野さん
やっぱりね、

圧倒的に色っぽいね。

ぴろぴろ
歳相応のスケベが出ただけじゃないですか。

 

荻野さん
見た目もなんだけど、何というか振る舞いもすっごい大人だよね。

大人の色気というか、大人の女の人というか…

ぴろぴろ
分かります。その嗜み方がこの漫画の本質ではあるんですが。

2位までの感想との落差がですね。

 

荻野さん
まぁララちゃんとかも可愛いんだけどさ、如何せん若いというか。。。

ぴろぴろ
ここまで積み上げてきた含蓄が崩れていきますね。

しゃべればしゃべるほど。

荻野さん
やっぱり大人の色気には勝てないってことよ。

ぴろぴろ
この結果はもう、しっかり To Loveるを楽しんだということですね。

 

荻野さん
まぁでもそういった幅広い年齢層でね、描き分けられてるというか、色んな年齢層の読者層に刺さる感じがね、こう…

ぴろぴろ
上手く描かれていると?

荻野さん
そう、上手く描かれているよね。

18巻をぶっ通しで読めるというのは、やっぱりそういうところかなと。良い作品だと思いますね。大したものだと思います。

ぴろぴろ
総評ありがとうございます。

 

荻野さん
全体を通して、エロチックな画が多い割には、あんまりいやらしくない。

読んでてあまりくどい感じはしなかったですね。

ぴろぴろ
確かに。このカラッとしたお色気も、To Loveるの魅力ってことですね。

 

ということで72歳のおじいさんが『ToLOVEる』全18巻を読んだとき、好きなキャラのベスト3は、

 

3位: 結城美柑

2位: 金色の闇、古手川唯

1位: 保健室の先生(御門涼子)

 

という結果になった。

 

人生経験に裏打ちされた深みのある考察が繰り広げられたものの、

最後は一人の漢(おとこ)として、まっすぐ To Loveるに向き合った、清々しい結果となった。

 

総括

いかがだっただろうか。

お色気漫画の歴史は古く、今回の荻野氏もTo Loveるを読みながら、かつての名作たちに思いを馳せた様子であった。

少年の心を動かすファクターは、今も昔もそう変わらないのだ。

 

大人になった男性諸君。

今はもう、夢中でお色気漫画を読みふけった少年の面影はなく、

社会の荒波に揉まれて疲れ切った日々を送っているのかもしれない。

 

そんなときふと、もう一度『To Loveる』を開いてみよう。

 

 

あの頃とは一味違う、保健室の先生が出迎えてくれるはずだ。