俺の名はケント。今年20歳の大学二年生。
ある日そんな俺に悲劇は起こった…
痩せたい…そこで俺は×××を見つけ早速使用してみた…
あれ?腹筋割れてる?…俺はどんどん痩せていった!
「ケントさん、かっこよくなりましたね」「ケントさん、今日飲み行きませんか?」「家、行っていいですか…?」
その後のことは…、ご想像にお任せします笑
みんなも俺みたいにモテたければ、今すぐ動画下の詳細ページをクリックしてくれ!
Youtubeでよく見るこの手の漫画広告、最近何かと話題になっている。内容のほとんどは、いわゆるコンプレックス商法というものだ。
主人公にコンプレックス絡みの悲劇が起きるが、友人などから紹介された話題の商品を使って克服。最終的にモテまくって童●を捨てるか、自分を捨てた恋人を見返してご満悦、といったようなオチが定石であり、言わば勉強のできない進研ゼミである。
また、見る人の興味を引くために、ど下ネタや過激な表現も散見される。広告をスキップできるまでの最初の5秒間は、特にゲスさが詰め込まれており、本旨とは関係ない煽り要素だけの導入であることもしばしばだ。
この5秒が勝負だと言わんばかりの、アスリートのような気概である。
おそらくその方が視聴継続率が高いのだろう。広告のバナーも結局エロいものが一番CTR(クリック率)が高いと言われる。人間の正直な部分が垣間見える結果だ。
動画中で紹介される商品だって買う気は無いし、見たくないけど見てしまった。そんな人も多いのではないか。
見たくないけど結末が気になって見てしまうという人たちのために、
もうこの手の漫画広告を全部見てしまって、漫画のストーリー部分の結果を予測できるようになりたいと思う。
広告が始まって気になる!と思った瞬間、この記事を読もう。
あなたは広告がスキップできるはずだ。
広告の手法
YouTubeに蔓延するこのような広告は、なんとも絶妙な構成を設計している。
①惹きつけるイントロ→エピソード開始
②コンプレックス刺激・悲劇
③克服に向かう(=商品に出会う)
④商品紹介フィーバータイム
⑤大団円(コンプレックス解消・リベンジ)
⑥駄目押しの訴求(今だけしか買えない)
という構成なので、2・3まで見てしまうと、その悲劇から逆転して大団円を迎える 5までを視聴したくなり、結果 4も見てしまうというわけだ。
そこまで行けば、まんまと駄目押しの 6まで続けてしまい、最終的に購入する人も現れるのだろう。
これを受けて今回我々が発見すべきは、とにかく⑤の内容(主人公がどうなるのか)を早く知れるメソッドである。
それではこのメソッドをあぶり出すため、Youtubeを蹂躙する漫画広告の渦に飛び込んでいこう。
集計開始
ひたすら見る、とにかく見まくる。
YouTubeの動画を再生しまくり、一度この漫画広告にぶち当たって最後まで見てしまえば、YouTube側が勝手に次流れる広告もこれ系の広告を当ててくれる。
そしてこのようにシートにまとめていく。
主人公の名前、降りかかる悲劇の内容、最後のオチや紹介されている商品名などをまとめていく。
基本的に広告の題材となる商品は絞られていて、例えば太っているのが悩みで脂肪を落とすためのサプリならば「MAYP-UP」「鍛神」「BISERA」。
青髭やニキビなどが悩みの対象ならば「Zローション」「薬用デニーロ」。剛毛であれば「Zリムーバー」といった具合である。
女性向けだとバストアップサプリ「ジュエルアップ」なんてものも。
そして衝撃的なことに、それらを紹介する広告漫画の種類は、一つの商品に対して数十種類ものバリエーションが存在する。
どこかのマンションの一室の事務所で、これらの漫画を黙々と書いている人たちがいると思うとゾッとする。
ちなみに上の画像にあるように、広告の『見出し』についても集計しているのだが、
この広告の大部分が以下のような「見る人の興味を惹くキャッチフレーズ」から始まる。
・どんな男も“アレ”がダメだと恋愛対象外!?アラサー男子が知らない意外な盲点!
・DTが韓国モデルの付き人になるとどうなるのか!?
・歓喜!!大学カースト頂点のミスコン女子大生が男子校出身の冴えない俺にガチ恋!?
芸能人や有名人を題材としたどこぞやの飛ばし記事のタイトルと発想が同じである。元締めは同じマンションの一室の事務所にたどり着くのかもしれない…
そして60件ほど集計したところで、6~7回連続で見ても新CMが1件ほどしかなくなったので、現時点で有意な母数が集まったとして一区切りとする。
さあ、集計が終了した。
それではどんなやつらが集まったのかチェックしてみよう。