3の次に眼鏡がない目の状態を表せる数字は何か




 

ことアニメ・漫画作品において、普段眼鏡をかけているキャラクターが眼鏡を外した際の目として数字の「3」が使用されることは多い。

 

言うまでもないが、「3」は自然数もしくは整数において、2の次で4の前の数である。

重たい瞼に閉じられて中々開かない寝起きの瞳を、3という数字はもののみごとに体現する。

 

(出展:『ドラえもん』のび太)

特筆すべきは、3で表現されていることでその人物の視界がボヤけていることが一発で伝わってくる点だ。

 

さらには再び眼鏡をかけて通常の目のタッチに戻ることで、そのキャラクターが視力を取り戻したということもはっきりと分かる。

目を3で表現する手法はまさに発明と言えるシロモノなのだ。

 

 

この眼鏡を外した際の目の表現として、

「3」以外にもしっくりくる数字はあるのだろうか。

 

この世に無限に存在する数字。決して目として描けるのが「3」だけであるはずはない。

ということで今回は3の次に眼鏡がない目の状態を表せる数字は何かについて調査をする運びとなった。

 

目の表現方法を1つでも2つでも増やすことによって、漫画・アニメの未来を照らしていこうではないか。

 

 

調査開始

今回、眼鏡を外した被験者として眼鏡がないときののび太を使用して調査を進めていく。

 

ちなみにこちら、数字の3が目の代替として描かれてはいるものの、完全な3ではない。

まずはこれを本当の「3」に変換してみよう。

 

やはり、違和感はない。

これが眼鏡をかけたキャラクターが眼鏡を外した際の、目の表現のスタンダートである。

 

そして今回はこの目をあらゆる数値に変換して、3以外の目の表現を探していく。

まずは小手調べに、次の数字はどうだろう。

 

「8」である。

 

3と、反転した3とがくっついたとも言える「8」。本来の3をも補完した仕上がりを期待したが、どうにも複眼じみて気色が悪い。

表面的にシルエットが似た数字を使っても、そう上手くはいかない様子だ。それではさらに3に近いこちらはどうだろう。

 

√3である。

 

まさか寝て起きたら眼が平方根になっているとは、さすがののび太も想像し得ないだろう。√の部分がちょうど皺(しわ)っぽく、少し年を重ねたのび太に見えなくもない。

とはいえルートの異物感はぬぐえず、眼鏡を外したのにまだ眼鏡のつるが残ってるようで違和感は強い。続けて行こう。

 

7もそこまで悪くはない。

 

悪くはないのだが、いかんせん目としての機能を客観的に表現するには至っていない。

むしろ目と目の間にもう一個7が降りてきて欲しいといった邪念がつきまとう。これはまだまだ我々が目の代替としてでなく、数字として7を捉えてしまっているからである。

 

2022年もよろしくお願いします。

 

とでも言いたげな西暦バージョンも用意してみたが、依然として不気味に数字が貼りついただけののび太である。

パーティー眼鏡のような仕上がりをイメージしたのだが、よく考えると眼鏡を外しているのに眼鏡の仕上がりを期待する時点で間違っていたようだ。

 

といった具合にあらゆるパターンで試行した我々は、その中でも3に迫る表現力を持つベスト3と、絶対に使ってはいけない表現のワースト3を見つけ出すに至った。

寝起きの顔を表現する際にもし3が使えなかったら。どれを使うべきか、そしてどれを使うべきでないのか。今宵我々は新たな漫画的表現の発明を果たすかもしれない。

 

それでは早速発表していこう。

 

 

第3位 「-3」

ジジィの寝起きになった。

 

√ ほどの存在感もない「-」であるからこそ、ちょうど目尻のシワがよった感じを表現できている。老け顔の友人でこんな人はいないだろうか。

リアル感がなんとも絶妙なラインである。3がなければ「-3」を使う、まさに文字通り逆転の発想というわけだ。

 

続いて、2位はこちらだ。

 

 

第2位 「虚数 i」

虚数の名前にふさわしい脱力感だ。

 

とぼけた雰囲気も漂い、3とはまた違った趣が感じられる。朝目覚めた際のキョトンした様子を十分に再現できているのではないか。

ただ一方で見方を変えると、点の目から黒い涙が滴っているようにも感じられる点がマイナスだ。そんなゴリゴリのアイメイクのギャルが泣いた跡みたいな涙は、のび太には似つかわしくない。

 

というわけで惜しくも2位にとどまった虚数。これらを抑えて、1位に輝いた数字とは。

 

それがこちらだ。

 

 

第1位「1」

まさに寝起きの目、ど真ん中。

 

一度当てはめてみるとこれ以上にしっくりくる数字はないのではないか。

相手を見ようとしてはいるが、目が開ききれていないこの感じ。なんなら本家の3よりも現実的な表現にも感じる。

 

改めて見比べてみると、3の方はややギャグテイストがこもった形になっている。

確かに視界がぼやけた状態を表すにはこの上ない数字だが、一方で人間的な意思を感じられない表情でもある。

 

そこに来ての1である。

相手の存在をしっかり捉えており、見るべき対象として確認できている。しかしまぶたは下がっているしボヤっとしている。

この「1」こそが眼鏡を外したときの目の表現として、「3」と並ぶ、またはそれ以上の役割を果たしているのではないだろうか。

 

さあ、というわけでベスト3が出揃った。

ここからは今回の調査の中で、最も目として適さなかった数字についてワースト3を発表していこう。

 

 

ワースト3位「4」

もはや殺人ピエロである。

 

ペニーワイズのような不気味さがあり、数字自体も非常に不吉だ。キョトンとしたドラえもんも、この後殺されるんじゃないかと気が気でならない。

ただ変な数字というだけでなく、目の形状としても微妙に成立している点がより気持ちの悪い印象を与えている。1増えるだけで、こんなにも3と違う仕上がりになるものなのだ。

 

それでは続いて、ワースト2位だ。

 

 

ワースト2位「0」

もう心臓がキュッとなる。

 

もし朝こうなっていたら、まず本物ののび太はすでに死んでいるだろうし、日常はすでにナニカに侵食され始めている。

前述の殺人ピエロよりも、この傀儡(かいらい)は次の瞬間何をしでかすかがまるで読めない。

 

人体の構造でいうと瞳すらもない、肌色。白目でも黒目でもなく、地肌。くぼみだけが丁寧にある状態だ。

まさにゼロという数字にふさわしい絶望感である。

 

さあそれでは、いよいよワースト1位の発表である。

閲覧においては気持ちを強く持ち、心してかかって欲しい。

 

 

ワースト1位「9」

もう心臓がザワッとなる。

 

瞳すらない肌色で不気味さがあったのが2位の0だとしたら、これはその上でしっかりとこちらを見つめている。

全く目蓋らしきものはない一方で肥大化した涙袋というアンバランスな目のつくりが、まるでマトモじゃない存在であることを証明している。

 

こんな目を向けられたら、どうにかなってしまいそうだ。ケロッとした画面右のドラえもんも、もうどうにかなった後なのかもしれない。

そしてワースト3の数字たちを改めて振り返ると、

 

4(死)、0(無)、9(苦)

 

と、イメージ的にも決してよろしくない数字が並ぶこととなった。

改めてゲン担ぎのような、元々ある各数字へのイメージはある程度確からしいことも実感することができた。

 

 

総括

いかがだだっただろうか。

あらゆる数字を目としてあてがってみたが、本家の「3」のように目の役割を果たせる数字もあれば、目に成り得ないような不向きの数字も存在した。

 

しかし本家の3にも匹敵するの発見については、なかなか意義がある検証結果だったのではないか。

未来の漫画家のみなさん、ぜひ試してみてください。

 

そして絵を描かないあなたも、この記事を読んだら早速明日の朝の自分の寝顔を振り返ってみよう。

あなたの朝は、3派?1派?

 

それとも…?