映画版ジャイアントーナメント開催〜どのジャイアンが一番良い奴なのか〜




一回戦「第一試合」

 

「のび太の南海大冒険」のジャイアン

評価17世紀のカリブ海にて海賊船に衝突され、破損した船から投げ出されたのび太の手を握る。しかし耐えきれず、ジャイアンは手を離し、のび太は海に流されてしまう。

ジャイアンはその後も「あの時俺が手を離していなければ…」と後悔の念に苛まれ続けた。そして一同はのび太を探す旅に出るのだが、その途中で女の海賊・ベティが仲間に加わった。

洞窟を探検している最中、渡っていた吊り橋が突然崩れ、一同は川に流される。そんな中ベティの手をジャイアンは力強く握り「次は絶対離さねぇ」と無事に救助。

その後も弱気なスネ夫に「のび太は必ず生きている」と言い聞かせ前を向くジャイアン。

最終的にのび太は発見され、号泣。

 

「のび太とアニマル惑星」のジャイアン

評価月にいる悪い奴から逃げ切ることに成功しスネ夫と喜んでいると、川に落ちてしまう。ジャイアンは最後の力を振り絞り河岸にたどり着くが、反対にスネ夫は溺れていく。

その瞬間、自分の体力は顧みることなく、また迷うこともなくスネ夫を助けに川へ飛び込む。しかしジャイアンもまた溺れてしまうのであった。

自分の労を顧みず、仲間のために、かつ体力が限界になり溺れてしまうまで行動できるのは普段のアニメでは見られないジャイアンだった。

 

両者ともに素晴らしいジャイアンである。

非常に甲乙つけ難いのだが…

 

・のび太とベティという2人の人間を救助しようとしたこと

・のび太のことをずっと心配し旅を続けるという、点ではなく線としての優しさ

 

の2点を高く評価したいと思う。よって今回の勝者は…

 

よって「のび太の南海大冒険」のジャイアンが準決勝に進む。

 

一回戦「第二試合」

 

「のび太の恐竜」のジャイアン

評価:航時法を犯して恐竜を狩る「恐竜ハンター」に、のび太が可愛がっていたピー助を渡すことで日本に返してやると持ちかけられるのび太一行。

タケコプターも故障し、自力で日本に帰るには途方もない距離を歩かなければいけない。そんな時、ジャイアンは歩くことを選択する。

スネ夫が泣きべそをかきながらジャイアンに大反対するも「おれは歩く!! のび太と一緒にな!!」の一点張りである。

劇場版第一作として、かっこよさにも磨きがかかっている。

 

「のび太とブリキの迷宮」のジャイアン

評価:ブリキで出来たホテルが、複数の零戦に爆撃される。そこでジャイアンは「やめろ!今夜泊まれなくなるじゃないか!」と叫び、その辺に生えていたヤシの木で迎撃する。しかし追い返されてしまう。

ただ、瞬時にリーチの差が問題と判断し、ヤシの木を短く折りバットにし、それで石をガンガン打ち出していく。そして一気に4台の零戦を撃ち落とし、ホテルを守ったのであった。

普段はパワープレイでの解決が目立つジャイアンではあるが、とっさの機転により問題解決までのアプローチを短く出来る能力を発揮した瞬間だった。

 

どちらも仲間のために英断をするジャイアンだが、

やはり前者の「おれは歩く!! のび太と一緒にな!!」という名ゼリフのインパクトは高く評価したい。

仲間割れをしていてももう一度チームを結束させる力を見せたのである。

 

よって勝者は…

 

「のび太の恐竜」のジャイアンが準決勝に進む。

 

一回戦第三試合

 

「のび太の宇宙小戦争」のジャイアン

評価:自ら敵の星に殴り込みに行くことを宣言してのび太一行をリードする姿や、敵の大将が乗った宇宙船をその身一つで撃墜する姿など、劇場版の良い奴さを随所で見せつけている。

一同がピンチに陥り嫌なムードになっても、「待て。そう悲観することもなさそうだぜ。」と一言。

劇場版のジャイアンは、このようにクールな台詞も吐く。劇場版になると、単行本版と比べ語彙力も上がるのである。

 

「のび太の太陽王伝説」のジャイアン

評価:古代・太陽の国で、その国の人間たちと生活を共にするドラえもん一同。ジャイアンは武術の先生から棒術を習い、次第に親交を深めていく。

そんなある日、さらわれた王女を助けに行くために、一同は危険な森を横断することに。途中ジャイアンに棒術を教えていた先生が敵にやられて一同と離れ離れになり、ジャイアンは人目をはばからず涙を流す

そして森を抜け出し、いよいよ敵の大将と一騎打ちになった一同だったが、その途中でその先生が合流する。ジャイアンは自分の持っていた剣をその先生に投げ渡し、援護。そこでも涙を流し「生きてるって信じてたぜ」と一言。

ジャイアンが漢を見せた瞬間である。

 

どちらのジャイアンの評価も高く、

決め台詞も最高なのだが、実は後者の方のジャイアンの良さは、映画の中でもかなり終盤の方で見受けられたものであり、

そこまでジャイアンの目立ったシーンはほとんど見受けられなかった。

 

そこで今回は映画全般に渡って、総合的に素晴らしかった前者のジャイアンをより高く評価したい。

ということで勝者は…

 

「のび太の宇宙小戦争」のジャイアンが準決勝に進出。

 

一回戦第四試合

 

「のび太のドラビアンナイト」のジャイアン

評価:何もない砂漠に取り残される一同。カンカン照りで水も飲めない状況の中、のび太が日射病で倒れてしまう

そんな中、ドラえもんに頼るそぶりもなく、気付くとジャイアンはのび太を背負っていたのであった。

ドラえもん「ジャイアン大丈夫かい?」

ジャイアン「あんまり大丈夫でもないけど、ほったらかしにもできないだろ」

作中、スネ夫がジャイアンを正面から褒めるのも印象的であった。

スネ夫「いつもは乱暴で嫌なやつだけど、ジャイアン、君の友情にはジンとくるぜ…」

 

「のび太の大魔境」のジャイアン

評価:ムードが壊れるという理由で、ジャイアンが便利なひみつ道具の多くを日本に置いていくよう指示したため、数々のピンチに巻き込まれるのび太一行。

ジャイアンはその責任を感じ、ペコ王子を救うため敵に立ち向かうことを誰よりも先に決意する。

自らの我儘から仲間を危険に晒す序盤

腐りながらも率先して危険な立場を引き受けることで責任を取ろうとする中盤

そして最後の戦いを前に仲間と和解する終盤と、

この作品ではジャイアンがもう一人の主人公になっている。

 

事実上の準決勝とも言えるほど素晴らしいジャイアン同士の対決である。

前者の方ではこれまでジャイアンの行動や決断にただ刃向かうことが多かったスネ夫がついに褒めるという、まさかの角度からジャイアンの優しさが垣間見れる。

「あんまり大丈夫でもないけど、ほったらかしにもできないだろ」

というセリフも、弱音は吐いた上で、それでも仲間を思いやるジャイアンの人間らしさが滲み出ていて素晴らしい。

 

ただやはり総合的に判断するとどうしても後者のジャイアンの方を高く評価せざるを得ない。

今回は良い奴である期間が長かった方の「のび太の大魔境」のジャイアンを勝者としたい。

 

よって「のび太の大魔境」のジャイアンが準決勝に進出。

これで映画版ジャイアンのベスト4が出揃ったので、

いよいよ準決勝へ…

 

映画版ジャイアン、ベスト4へ…