2nd ラウンド
第3位 ドラゴンボール
詠み人: フリーザ
緊迫感のあるシーンで突如詠まれた一句です。オーラを感じます。
ただ一点だけ勿体無いのが、
なぶり殺しにします。
だけで良いってことですもんね。
続いては、第2位です。
第2位 鬼滅の刃
詠み人: 妓夫太郎
(けっきじゅつ えんざんせんかい とびちがま)
一方で俳句としての評価は分かれる一作かと思いましたが…
まぁこれは直すとか直さないとかじゃないかもしれないんですけど、
漢字が並んでるっていうのも面白いと思います。
ちょっとダルいかな。
第1位 こち亀
詠み人: 両津勘吉
両さんが屋形船でタヒチに向かってる際に食料が尽きて、軍艦からパクった缶詰だけで数日生き延びている状況を嘆いた一言ですね。
意外性がなさすぎるというか。あと「神社」と「願い」とかも。双方から簡単に片方の言葉が想像できちゃうんですよね
普通家で缶詰見て「あ、軍隊だ」とはならないじゃないですか。
軍隊→缶詰 は想像できちゃうとは思うんですけど、缶詰→軍隊はなかなか考えられない。
双方に矢印が向いてないのが良いんです。
食うものはあるんだけど、食うものに困ってるっていう状況もまた面白い。
ちなみに「軍隊」って夏の季語だったりしないんですか?
「軍隊の」ってつくともう最高なんですよね。
これ他でも使えますね。
4位・5位の紹介
2stラウンドに関しては、4位と5位の句に対する達人の寸評はダイジェストで発表する。
第4位 ONE PIECE
詠み人: ニコ・ロビン
良い女の一句って感じですね。
・倒置法を使っているのは結構評価ポイント。
・中8になっている。倒置法を使うならなおさら中8は勿体無い。
・「涙」と「痛み」の表現が近い。涙を出す理由として「痛み」は1位。
・上五以外の部分が全て涙の理由の説明になっている。勿体無い。
・上五の「ずるい」という表現は直接言うのではなく、他の言い方で表現した方がいい。
第5位 NARUTO
詠み人: うずまきナルト
読んでる最中は胸に来る一言だったので選出しましたが、俳句として抜き出すとなんか急に安っぽくなっちゃいますね。
・中8になっている。
・「あいつにも」と「サスケにも」が重複している。どちらかでいい。
・「あいつ」を指すものがサスケ、もしくは第三者の可能性もある。考えてしまう。
・目標という意味での「夢」を使うのはかなり危険。感動の押し売りみたいになるので控えた方がいい。
・「あったんだ」という表現が曖昧。
・夢を持つのは当たり前。わざわざ「あったんだ」と言う必要はない。
・全体的に「あー、俳句の形になってるねー」というだけの印象。
寸評を終えて…
第一回、偶然俳句対決〜ジャンプ漫画のキャラクター編〜、栄えある第1位は……
こち亀は卑近な日常に根ざした話が多い分、そこを面白く見せるために、情景描写や表現が研ぎ澄まされているのかもしれません。
総括
いかがだっただろうか。
漫画のセリフも俳句の視点で捉えると、カッコイイ決め台詞にもどこか漏れがあったり、何気ないセリフが光り輝いて見えたりするものだ。
それはあなたの大好きなキャラクターの、違う一面を知れるきっかけになるかもしれない。そう考えると、なんだかワクワクしてくるだろう。
例えば今、頭の中で好きな漫画の、好きなキャラクターの、好きなセリフを思い浮かべてみてほしい。
そのセリフ、
中八になってはないだろうか?
1文字、削らないとね。
完
このラウンドでは、全巻のセリフより一番俳句として秀でてそうなものをピックアップしました。各作品における、渾身の一句になります。